女子決勝で平均台の演技を行う宮田笙子。初の全日本女王に輝いた =高崎アリーナ(福島範和撮影)

体操のパリ五輪代表2次選考会を兼ねる個人総合の全日本選手権第3日は13日、群馬県の高崎アリーナで女子決勝が行われ、宮田笙子(順大)が合計109・798点で初優勝した。

エースの貫禄を存分に見せつけた。11日の予選を1位通過した宮田が、決勝でも4種目合計でトップとなる54・832点をマーク。意外にも全日本は初制覇となり、「最低限を出せた上での優勝だったから、うれしかった」。予選、決勝どちらも大きなミスなく演じ切り、自然と頰が緩んだ。

昨年は故障に苦しむ時期もあったが、今年は思い通りの練習をこなし、自信を持って臨んでいた。今までにないほど練習したという段違い平行棒は、落ち着き払った演技で着地まできっちり。「練習は裏切らないところを今日見せられた」と満足そうに話した。

「日本代表にふさわしいと思ってもらえる演技をしたい」。大会前から掲げてきた目標だ。2021年東京五輪後から体操女子のエースと呼ばれ、時にそれを重圧に感じながらも、逃げることなく受け止め、乗り越えてきた。精神的にも成長したところを見せ、有言実行してみせた。

2位に2点以上の差をつけ、パリ五輪の代表選考で大きく前進したが、油断はない。「NHK杯がすごい大事になってくる。安心できないし、よりいい演技を見せたい」。3連覇がかかる5月の大一番でも他を圧倒し、五輪切符を勝ち取るつもりだ。(小川寛太)

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