日本相撲協会は30日に夏場所(5月12日初日、両国国技館)の番付を発表。幕下付け出しデビューから所要6場所の大の里(23)が、昭和以降で逸ノ城(5場所)に次ぐ歴代2位のスピード昇進で新小結となった。
初のまげ姿を披露した大の里は「いつもは朝、起きれないんですけど、きょうは6時位に起きて、番付がくるのを楽しみにしていた。名前がデカくなっているのを見て、三役に上がった実感が湧きました」と喜んだ。しかし、去年9月に未成年力士と飲酒していた件で協会の処分を受けており、会見冒頭で師匠・二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)とともに謝罪した。
これまで、ザンバラ髪で土俵にあがり生活していたが、初のまげ姿を披露。「練習もしていませんでしたし、先程、初めて髪の毛を縛って髷を結ってみて、いよいよ、これからだなという気持ちになりましたし、お相撲さんにようやくなれたなと」と感想を口にした。そして笑顔で「鏡見たら、すごい自分なりに似合ってるなと思いました」と満足げな表情を見せた。
日本体育大学在学中に2年連続アマチュア横綱に輝いたタイトルホルダー。去年の夏場所、幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。それから、1年で新三役へとスピード出世を成し遂げた原動力は「上へ、上へ。1日も早く上の番付へいきたい」という向上心。新入幕から2場所続けて11勝を挙げ、三賞を連続で受賞。
師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)も「幕内2場所目のジンクスみたいな、新入幕で活躍したけど、2場所目で失速する、そういうのを結構、見てきた。2場所目、活躍できた、力を出し切ったのは、自信になると思いますし、今後の相撲人生において非常に良い」と愛弟子の頑張りに目を細める。
「小さい頃から大相撲を見てきて、やっぱり天皇賜杯を抱いてみたい」と夢を明かした大の里は、春場所でその優勝争いを初めて経験した。「初場所、春場所を戦ってみて優勝というものが夢から目標に変わった瞬間でもあったので、この目標を持ち続けて頑張りたい」と意欲を見せた。
夏場所は、およそ2週間後に初日を迎える。
「東の小結が朝乃山関ということで、北陸がすごく盛り上がると思う。1月に大きな震災がありましたし、自分が場所で勝つことが一番。まずは、一つでも多く勝つこと。余計なことを考えず、一生懸命頑張ることがすべてだと思う。頑張ります」と3年ぶりに三役へ返り咲いた富山県出身の元大関とともに、地元へ明るいニュースを届けることを誓った。
また、大関として2場所目を迎える琴ノ若(26)は祖父の名前“琴櫻”を襲名。昭和の名横綱のしこ名が50年ぶりに番付に復活した。
■新小結・大の里(おおのさと)本名、中村泰輝
2000年6月7日生まれ、23歳。石川県河北郡津幡町出身、身長192.0cm、体重183.0kg
・第72代横綱・稀勢の里の二所ノ関親方が部屋を創設してから初めて
・石川県からは2018年夏場所の遠藤以来、戦後6人目
・日本体育大学からは、2019年春場所の北勝富士以来、6人目
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