全国の幼児(3~6歳)を対象とした運動実施状況に関する調査で、46.6%の幼児が、保育園や幼稚園以外で平日に外遊びをしておらず、約12人に1人は1週間のうち1度も園外での外遊びをしていないことがわかった。この調査は笹川スポーツ財団が2023年11月8~10日に、全国に居住する3~6歳の幼児の保護者3144名を対象として行ったもので、幼児の“園外”での運動実施状況に関する初めての大規模全国調査だという。

また調査によると、運動実施頻度が高い幼児ほど平日のスクリーンタイム(テレビやスマートフォン等の画面を見る時間)が「2時間以上」の割合は低かった。

生育環境と運動習慣の関連では、両親ともに週1日以上の運動・スポーツをしている家庭の幼児は運動時間が長く、親子で一緒に体を動かして遊ぶ頻度が高いほど、幼児の園外での総運動時間が長く、他者を思いやって協力的に行動する傾向が強いことも明らかになった。

同財団は、子どもの体力・運動能力低下は低年齢化の傾向にあり、幼児期からの身体活動の重要性が指摘されるとして、調査から得られたデータを子どもの運動習慣形成や体力向上のための施策に活用することが期待される、とコメントしている。また、幼児の運動実施と社会性との関連性が明確だったのは「親子で一緒に体を動かして遊ぶ頻度」だったとして、「親が子どもと一緒に体を動かして遊ぶ機会を確保できるよう支援していく取り組みが特に重要だ」と強調した。

【幼稚園・保育園以外における幼児の運動実施の実態調査(ポイント)】

1.運動習慣
(1)幼児の園外での外遊び日数(1週間あたり)
・非実施      8.1% 
・1日       7.8%
・2日      32.8%
・3日       5.6%
・4日       4.2%
・5日       5.4%
・6日       5.8%
・7日      30.3%

(2)幼児の園外における平日1日あたりの外遊び時間(平日:月~金)
・0分            46.6% 
・1分以上15分未満      12.2%
・15分以上30分未満     11.1%
・30分以上45分未満     12.8%
・45分以上60分未満      4.2%
・60分以上75分未満      8.3%
・75分以上90分未満      0.9%
・90分以上105分未満     2.2%
・105分以上         1.6%

(3)幼児が園外で経験していない基本的な動き
・幼児の7割が「物を打つ動き」、6割が「逆さまになる動き」を十分経験していない。
・体のバランスをとる遊び(平衡系)や物を操作する動き(操作系)は経験の機会が限られている。

2.生活習慣と運動習慣との関連

(1)運動実施頻度が高い幼児ほど「平日のスクリーンタイムが2時間以上」の割合は低い。年長の運動非実施群においては、「スクリーンタイム5時間以上」が8.8%を占める。

3.生育環境と運動習慣との関連

(1)両親ともに週1日以上の運動・スポーツをしている家庭の幼児は運動時間が長い。
(2)親子で一緒に体を動かして遊ぶ頻度が多いほど、幼児の園外での総運動時間が長い。
(3)親子で体を動かす遊びの頻度が高いほど「向社会的行動の強さ」の得点が高い傾向。


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