来春に行われる第97回の選抜高校野球大会の出場校を選考するうえで重要な参考材料となる秋季近畿地区高校野球大会が、10月19日(土)、兵庫県のほっともっとフィールド神戸でスタート。大阪大会で大阪桐蔭を下して優勝した履正社が、滋賀県大会準優勝でこの舞台に進んできた滋賀短大付属と対戦しました。
大阪大会では、大阪桐蔭の好投手・中野大虎選手と森陽樹選手を打ち崩した履正社。この試合も、立ち上がりからチャンスをつかみます。1番の矢野塁選手が内野安打で出塁すると、すかさず盗塁。送りバンドの後、1アウト3塁から3番の辻琉沙選手がセンターへ犠牲フライを放って幸先よく1点を先制します。
しかし、その後は、滋賀短大付属のエース・桜本拓夢投手の丁寧な投球の前に、なかなか得点を奪うことができません。変化球を低めに集め、サイドスローからコーナーを丹念に突いてくる桜本投手に対してあと1本が出ず、2回以降は無得点が続きます。
その履正社の先発は、大阪桐蔭戦でも5回途中まで好投した辻琉沙投手。アンダースローから繰り出す切れのあるボールで、滋賀短大付属を5回まで無得点に抑えます。しかし、この日はコントロールがいまひとつ。5回まではフォアボールを出しながらしのいでいたものの、徐々に雲行きが悪くなってくる天気同様、6回に崩れます。
滋賀短大付属が6回に4得点で逆転に成功
6回裏、2つのフォアボールと内野安打でノーアウト満塁とピンチを招いたところで、ついにマウンドを矢野塁投手に譲ります。大阪桐蔭戦では好リリーフで反撃を抑えた矢野投手。しかし、この日は滋賀短大付属打線が一枚上手でした。
この場面で、6番の北嶋朔太郎選手が、矢野投手が「一番自信のあるボール」と語った初球のストレートを見事にはじき返します。「狙い球が来たので、強い打球を打とうと振り抜いた」というあたりは、レフトオーバーのタイムリーツーベースとなって、滋賀短大付属が2対1と逆転に成功します。さらにその直後、履正社に痛いミスがでます。キャッチャーからの送球が乱れる間に3塁ランナーがホームイン。この後、スクイズで1点を奪われて4対1とリードを広げられてしまいました。
ここで雨が激しくなって、試合は一時中断。履正社にとっては嫌な流れを断ち切るチャンスが訪れます。中断明けの7回表、先頭の田中日和大選手がセンターへのヒットで出塁。追い上げの機運が高まります。それでも、桜本投手は冷静でした。ランナーを背負っても投球のリズムが乱れません。落ち着いた投球でこの回を切り抜けると、8回2アウト1塁2塁のピンチでも5番の金光祥玄選手に対して、低めへのストレートをズバッと投げ込んで見逃し三振を奪い、ピンチを脱出しました。
結局、最後まで履正社打線に連打を許さなかった滋賀短大付属が、少ないチャンを生かして4対1と鮮やかな逆転勝ち。ベスト8に駒を進めました。一方、大阪桐蔭を下して自信をもってこの大会に臨んできた履正社でしたが、まさかの初戦敗退で、甲子園を目指す舞台から姿を消すことになりました。
試合後、「自分の責任。選手たちは本当に頑張ってくれた。申し訳ない気持ちでいっぱい」と語った履正社・多田晃監督。次の舞台に向けて、もう一度、選手たちと気持ちを一つにする姿がありました。
今後の試合日程
なお、19日に予定されていた第2試合以降は、雨のために10月21日(月)に順延。20日は、当初に予定されていた3試合が行われます。
【秋季近畿地区高校野球大会】
・10月19日(土)
滋賀短大付属(滋賀) 4-1 履正社(大阪)
・10月20日(日)
東洋大姫路(兵庫) 対 龍谷大平安(京都) 午前9時~
三田学園(兵庫) 対 市和歌山(和歌山) 午前11時30分~
立命館宇治(京都) 対 奈良(奈良) 午後2時~
・10月21日(月)
天理(奈良) 対 和歌山東(和歌山) 午前11時~
大阪学院大高(大阪) 対 北稜(京都) 午後1時30分~
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。