8月23日(金)~25日(日)の首位・広島との3連戦を2勝1敗で終えた阪神。初戦で先発した高橋遥人投手や最近の投手陣について、能見篤史さんの解説です。

『ボールの質がほかの投手と違う』

 ―――26日時点で、広島とのゲーム差は4となっています。3連戦の初戦で先発した高橋遥人投手は7回途中1失点、2回から5回はノーヒットというピッチングで勝利。復帰後2戦2勝です。能見さんは『すごい投手が出てきてくれた。ボールの質がほかの投手と違う』という見解のようですね。

 「もともとすごかったんです。手術して頑張ってやってきた中で、本来のボールがだいぶ戻ってきているんですよ。高橋遥人投手について他の球団の人から聞くんですが、『ボールがえげつない』ってみんな言うんですよ。プロのバッターでもなかなか打てないという、それぐらいのボール投げてるので」

 ―――何がすごいのでしょうか?

 「ボールの質です。バッターの想像を超えるボールが来る。勢いもそうですし、打とうと思っても自分の思っているボールが来ないと。だからなかなか打てないんです」

 ―――対戦経験のある楽天・黒川選手の話では、ボールをリリースする音が聞こえたら、もうキャッチャーのミットに収まっているというぐらい今まで見た中で一番すごいピッチャーだと。そんな高橋投手がこのタイミングで戻ってきたことについてはいかがですか?

 「大きいですよね。やっぱり計算もできますし、ある程度しっかり抑えてくれるっていうところで、チームとしてはいい戦い方ができるので。“けが明け”なのでなかなかローテーション回せないんですけど、うまく間隔をあけながら投げないとね。また故障するので」

セ・リーグの得点圏打率トップ4は阪神の選手 一方で投手陣に疲れ?

 ―――打線が奮起しています。26日時点で、セ・リーグの得点圏打率トップ4は阪神の選手です(1位:大山選手 2位:森下選手 3位:佐藤選手 4位:近本選手)。一方で投手陣は防御率が前半戦2.25だったのに対し、後半戦は3.08まで上がってしまっています。先発投手の防御率は、才木投手の場合、前半戦1.20→後半戦3.33です。後半戦は打線がつながっているけれども、先発投手の失点も増えていて、中継ぎ投手への負担も大きくなっているということでしょうか?

 「ここ踏ん張りどころなので。でもこうやって使ってもらっているのもそうだし、疲れてても名前を呼ばれて出してもらえるってことは、選手は本当に信用されていると思っているんです。なのでその辺は意気に感じて、頑張って投げてくれています。打線が何とかカバーしていくしかない」

 ―――中継ぎの桐敷投手の防御率も前半戦1.86→後半戦3.86と上がっています。今季はこれまで55試合に登板。現時点で12球団で一番登板数が多くなっています。能見さんは桐敷投手について『どういう調整をすればいいのか経験したことがないからしんどいのでは…』と見ているようですね?

 「そうですね、ここまで投げたことがないので。投げてれば、夏場にこういう調整をしてっていうのをある程度、基礎知識として入れておけるんですけど、まだわからないので。たぶんいろんな選手に聞いていると思うんですけど、自分に合ってるかどうかもわからないのでね。この辺はシーズン通して頑張ってもらうしかないんですけど、連投よりは『投げて、1日あけてまた投げて』の方がバランス的には力を発揮できるのかなと思います」

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