7月10日に開幕する夏の高校野球岩手県大会の注目校・大船渡高校は、春の県大会3位の沿岸の強豪だ。仲間との絆を力に変え40年ぶりの夏の頂点を狙う。
沿岸の強豪・大船渡高校。春の県大会で3位となったその強さの秘密はチームの「結束力」。
部員43人のほとんどが気仙地域の出身で、同じ少年野球チームに所属していた選手も多く、幼馴染のように育ってきた仲間とともに夏の頂点を目指す。
チームの要 大船渡 室竣也主将(3年)
「お互い小学校から知っているからこそ、良いところも悪いところも知っている。良いところは褒め合えるし、良くないところは指摘することが自分たちの強みだと思う」
チームの結束力で勝ち進んだ春の県大会。
その強さを最も発揮したのが2023年秋の王者・一関学院との準々決勝だった。
初回、先頭バッターのキャプテン・室選手がヒットで先陣を切ると後続が打線をつなげて2点を先制する。
攻撃でリズムを作り波に乗るのが必勝パターンの大船渡は、相手の攻撃もしっかりと抑えベスト4進出を勝ち取った。
春の大会の結果に満足することなく更なる成長を目指す大船渡。
攻撃の中心となるのがチーム1の長距離打者・2番バッターの大森康心選手だ。
チーム1の長距離砲 大船渡(3年)大森康心選手
「いつもより打球が軽いなっていうか、振り抜けたという感じがしたときにホームランになったりする」
パワーだけではない勝負強いバッティングが生み出す一発によって、チームは波に乗る。
チーム1の長距離砲 大船渡 大森康心選手(3年)
「強みは思い切りのいいスイング。中途半端なスイングをしないようしっかり振ることを意識している。大会期間中で1番いいバッターだったと思われるくらい活躍したい」
一方、投手陣も厚い選手層を誇っている。
春の大会では投手5人それぞれの特徴を生かした継投で相手打線を翻弄した。
中心となるのは3年生のエース・長根大祐投手。
多彩な変化球 大船渡(3年)長根大祐投手
「スライダー・ストレート・シンカー。スライダーの曲がり方が大きくて、バッターを打ち取ったり三振にしたり。チームがピンチの時にしっかり抑えて流れを作れるような投手になりたい」
攻撃でも守備でも、仲間を信じて思い切りの良いプレーが強みの大船渡は、2024年3月には全員で甲子園に行き選抜大会を観戦してきた。
ずっと憧れていた夢の舞台は、いま手の届くところにあると実感している。
チームの要 大船渡(3年)室竣也主将
「甲子園に行くと言っていたが、実際どういう場所か初めて体験して“そこに行くんだ”と刺激を受けたし、これから練習のレベルを上げて頑張ろうと思った。優勝して甲子園に絶対行きたい」
この日の練習終了後、地元の野球クラブの子どもたちが激励に駆け付けた。
猪川野球クラブ 佐々木悠真主将
「春の大会3位、おめでとうございます。夏の大会も甲子園目指して頑張ってください」
小さな後輩たちから心強いエールを受け取った大船渡は、幼いころから共に成長してきた仲間との絆を力に、夏の頂点まで駆け上がる。
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