愛媛県が韓国からの観光客で賑わいを見せている。
ソウル線の増便や釜山便の就航を機に、多くの韓国人が愛媛を訪れるようになった。彼らは一体どんな風に愛媛を楽しんでいるのか。温泉、グルメ、そして意外な親孝行の旅まで、韓国人観光客の愛媛体験に密着した。

温泉とグルメに魅了される韓国人観光客

初めて愛媛を訪れたという韓国人女性は「温泉もとてもいいですし、ショッピングもできて両親も一緒に来たんですけどとても楽しんでいてぜひもう一度来たいです」と満面の笑みで語った。

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釜山から家族で来たという男性。「松山と韓国・釜山の直行便ができてそれで簡単に来ることができて、古い温泉もあってそれを見に来ました」と話す。その母親も「懐かしい町のような感じ。安定した感じが良かった」と、愛媛の魅力を語った。

2回目の愛媛訪問だというイ・ソンミさん家族は、「温泉に入ろうと家族旅行です。きのうはうなぎ丼を食べてそして鯛めしもおいしかった」と、愛媛のグルメを堪能した様子。
さらに「飛行機ができて近くなって東京や大阪より愛媛に来るのがもっと楽になりました」と、アクセスの良さも魅力の一つだと語った。

道後温泉で親孝行!意外な家族旅行の形

今回の旅行では、イ・ソンミさんの両親も同行していた。親孝行を兼ねた愛媛での家族旅行に密着してみると、意外な光景が広がった。

早速、道後商店街を散策し、道後の老舗土産物店絣屋本店に立ち寄った。韓国にいるお孫さんへのプレゼントに愛媛県のイメージアップキャラクター・みきゃんのグッズなどお土産を購入。

絣屋本店・石田匡暁さんは「韓国の直行便ができてそこからさらに増便になってから目に見えてというか肌感ででも韓国のお客様が本当に多くなったなと感じます」と語った。

そして、いよいよ道後温泉本館へ。
両親は、「私たちは愛媛に来るのが初めてでしたが温泉がきれいでとてもよかったです」と満足げな様子で語った。

実は前日も道後温泉本館で入浴したというソンミさん一家。
母・ファジャさんは「温泉がどうしても入りたくてきょうもここに入ります。(温泉に入ったら)肌がすべすべになってとてもよかった」と、温泉の魅力にすっかりハマった様子だった。

ご両親の満足げな様子に「愛媛で親孝行」できたようだ。

急増する韓国人観光客 愛媛の観光業界も活気づく

韓国人観光客の増加は、数字にも如実に表れている。

観光庁の統計によると、2023年7月の愛媛への韓国人宿泊者数は3300人あまりだったが、2024年7月には1万5000人ほどと、実に4.5倍に急増した。
愛媛県は、2023年秋の釜山便就航やソウル便増便の影響とみている。

道後商店街で和菓子屋を営む白鷺堂の小池愛子さんは「やっぱり韓国とか台湾とかの方が多いですね。あちらの方お羊羹が好きみたいです」と語った。

道後温泉旅館協同組合インバウンド集客委員長の河内広志さんは「直行便の力だろうと思いますね。チェジュ航空、エアプサンがどんどんと就航しておりますし、ロードファクター(座席利用率)もいいわけですから当然ながら松山道後の宿泊もどんどんと宿泊増になっております。たとえば石手寺や、飛鳥乃湯泉周辺やそういったところは韓国のお客様がたいへん多いです」と語った。

さらに、松山三越内の愛媛・松山観光インフォメーションセンターでは、免税の手続きや公共交通機関の乗り方などの問い合わせに対応しているが、ソウル線増便やプサン便の就航がスタートしてから韓国人観光客の利用が急増しているという。

まちづくり松山の鶴原信志さんは「やはりコロナが空けてから1カ月に2・3件だった免税が、いまが大体400件から500件の間。国別で言うと韓国の方が7割、中国系の方、台湾・中国系の方が2割」と語った。

10月27日からの冬ダイヤで松山空港はソウル便・釜山便合わせた韓国路線が週20便となり、中四国で最多となる。より便利になることで、愛媛でのインバウンド需要はさらに高まりそうだ。

(テレビ愛媛)

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