(ブルームバーグ):ウォール街では、米半導体大手インテルに対する強気派がますます少なくなってきた。先週発表した7-9月(第3四半期)業績見通しは、またもさえない内容だった。

インテルが1日に示した第3四半期の売上高見通しは、アナリスト予想を大幅に下回った。同社はまた、1万5000人の人員削減計画と、1992年以来続けてきた配当支払いの停止を明らかにした。

同社はこのところ、投資家の失望を誘う業績見通しを示し続けている。野心的な再建計画を掲げ、人工知能(AI)分野で競争しようとしているが、数々の逆風に見舞われている。

4-6月(第2四半期)決算も市場予想を下回り、少なくとも6社のアナリストが投資判断を引き下げた。

ケニー・アンド・カンパニーのピーター・ケニー最高経営責任者(CEO)は「今回の発表は業績の底打ちを告げるものではなかった」とし、「投資家はキル(強制停止)スイッチを押している」と指摘。

「多くの競争にさらされ、関連製品に乏しい。再建に向けた取り組みは費用がかかっている上に進展も遅い。バリュエーションは割安と言えず、景気への懸念も強まっている。最悪期が終わったと言うのは時期尚早だ」と付け加えた。

インテルの株価は今年に入って60%ほど下落。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)構成銘柄の中では、ウルフスピードに次いで2番目に下落率が大きい。AIへのエクスポージャーが大きいエヌビディアや台湾積体電路製造(TSMC)などの上昇に支えられ、SOX自体は年初から10%余り上昇している。

インテルは売上高が減る中で、新たな半導体や生産の技術に大規模な投資をしており、投資家はしびれを切らしている。現行製品群はAIインフラに多額の投資をしている企業などが望むものではなく、同社は市場シェアを失っている。

先週の決算発表後にインテル株は一段安となったが、アーガス・リサーチのアナリスト、ジム・ケレハー氏は「現行の株価水準ではインテル株をもはや魅力的とは見なせない」と述べた。

原題:Intel Has Lost Wall Street’s Patience as Headwinds Keep Mounting(抜粋)

--取材協力:Ian KingSubrat Patnaik.

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