青山高治 キャスター
広島カープは週末、巨人との3連戦。本当に見どころが多かったです。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
出る選手、出る選手が全部、自分のやるべきことをやった3試合でした。

5月17日(金)広島 vs. 巨人(マツダスタジアム)

2.5ゲーム差で迎えた2位・巨人との3連戦、金曜日は1回から試合が動きました。カープは、2アウト・3塁とチャンスの場面で得点圏打率、驚異の4割8分超え、勢いに乗る 小園海斗 。

同学年の巨人先発・戸郷翔征 から「チャンスでうまく対応できた」とライトへとはじき返し、秋山翔吾 がホームイン。頼もしい4番のタイムリーでカープが先制です。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
「本当、そうです。簡単なボールではないんですけれども、うまく対応しています」

先発の 大瀬良大地 は、今シーズン、初めて3連戦の初戦を任されました。今季、コンビを組む 會澤翼 との熟練のバッテリーは毎回、ランナーを出すものの、要所は的を絞らせず、3回はフォークで 丸佳浩 から見逃し三振を奪えば、5回に招いた2アウト・満塁のピンチで4番の 岡本和真 相手に選んだ勝負球は得意のカットボールではなく、シュート。レフトフライに打ち取ります。

天谷宗一郎 さん
「呼吸があっていました。お互いがやるべきことをしっかりと理解したうえで投げていたんじゃないかなと思います」

続く6回、一発が出れば逆転の場面では、自信のあるカットボールでファーストゴロ。大瀬良は、6回無失点の好投で2勝目。マツダスタジアムでは今シーズン初めて白星を手にしました。(広島 2-0 巨人)

5月18日(土)広島 vs. 巨人(マツダスタジアム)

完封勝利から一夜明けた土曜日。大瀬良の勝利に続きたい同期の 九里亜蓮 が先発でした。7試合を投げて、いまだ勝ちのない “開幕投手” は、2回、1点を先制されて、なおも3塁・1塁のピンチでピッチャー・赤星優志 にスクイズを決められてしまいます。

2点を追う展開となったカープは、4回、ツーアウト・1塁で打席には5月5日以来、2度目のスタメン、羽月隆太郎 。「亜蓮さんになんとか点を取ってあげたかった」と気持ちのこもった打球はレフトの頭を越えます。羽月の今シーズン初ヒットがタイムリーとなり、1点差に詰め寄ります。

天谷宗一郎 さん
「すばらしいバッティングです。コメントにあるように、気持ちがあそこまで打球を飛ばしたのかなというところもありますよね」

続く5回の先頭は、羽月と同期入団の6年目・林晃汰 。逆方向への当たりがラインぎわに落ち、ツーベース。結果を出し続ける同期の小園に負けじと、スタメン起用に応えます。

すると、新井監督は、5回ながら林に代走の 大盛穂 を起用。その後、1アウト・3塁・1塁で 矢野雅哉 はサードゴロ。大盛ははさまれアウトにはなりますが、さすが “足のスペシャリスト” 。粘る間にバッターの矢野が2塁まで進みます。この進塁が逆転劇への呼び水になりました。

チャンスに回ってくる男、土曜日は3番で起用された小園―。

実況 坂上俊次 アナウンサー
「ちょこんと合わせた。抜けていく。きょうも小園! ランナー1人還ってくる。そして2人目還ってくる。逆転! 粘る九里に勝ち星を付けようと広島カープ、きょうも小園! 3対2、逆転に成功しました」

勝利投手の権利を得た九里でしたが、直後の6回、ランナー3塁のピンチを招き、こで2番手・森浦大輔 へ。フォアボールで3塁・1塁となりますが、続く丸はセカンドゴロでダブルプレー。最高の結果で九里の白星を落としません。

天谷宗一郎 さん
「そうですね。力強いボールが彼の持ち味だと思うんですけれども、気持ちの面でも負けていなかったなっていうふうに思います」

そのウラ、ここまで2安打の 坂倉将吾 。開幕から数多く、九里の球を受けてきた男が、およそ1か月ぶりのホームラン。猛打賞の活躍でリードを2点に広げます。

天谷宗一郎 さん
「完全復調と言っていいんじゃないかっていうぐらいのバッティングでした。すばらしかったです」

しかし、迎えた9回、まさかの展開が待っていました。守護神・栗林良吏 が、エラーで1点を返され、なおも1アウト・3塁・1塁の大ピンチ。対するは、前の打席で 島内颯太郎 からヒットを放っている 小林誠司 。その初球をセーフティースクイズ。

ここでファーストの二俣がホームへジャンピングスロー。きわどいタイミングは間一髪、アウト。同点にはさせません。

天谷宗一郎 さん
「これは本当にしびれました。ファーストって不慣れだと思うんですけれども、そんな中でここ一番でこういったプレーをできるってことは、準備のたまものだなと思います」

しかし、その後、フォアボールを与え、2アウト・満塁、フルカウント…。九里の初勝利がかかった運命の1球。

実況 坂上俊次 アナウンサー
「空振り三振! 最後は直球勝負。栗林、ほえた。4対3、広島カープ、逃げ切って、九里亜蓮に今シーズン、1勝目がつきました」

広島カープ 新井貴浩 監督
「(九里)亜蓮もきょうは調子がいい方ではなかったんですけれども、なんとか粘り強く投げてくれたと思いますし、また、野手も『なんとか亜蓮に1勝目をプレゼントしたい』という、そんな攻撃だったと思います」

5月19日(日)広島 vs. 巨人(マツダスタジアム)

初の同一カード3連勝をかけた日曜日。いきなり3点を追う展開となりますが、1回ウラ、チャンスで4番に戻った小園。これが、“絶好調男” のバットの力か。絶妙なところに落ち、1点を返します。

天谷宗一郎 さん
「本当にそうですよね。絶好調だからこそだと思います。ただ、しっかりと振り切ってるんです」

なおもランナー2人を置き、6番・末包。変化球をとらえると、今シーズン最多のファンが見つめた打球は左中間スタンドへ。待望の今シーズン初ホームランがスリーランとなり、あっという間に逆転します。

天谷宗一郎 さん
「やっぱり長打って魅力です」

田村友里 キャスター
「テンション、上がりました」

天谷宗一郎 さん
「いいところで出ました。ナイスバッティングです」

援護をもらった先発・アドゥワ誠 は2回以降、立ち直り、巨人打線を5回までノーヒットに抑えます。

天谷宗一郎 さん
「すばらしかったですよね。この切り替え・微調整っていうのがしっかりできました」

追加点のほしいカープは、4回、チャンスで8番・林。今シリーズ初打点となるタイムリーヒットで追加点を挙げます。

天谷宗一郎 さん
「これも新井監督が言っていましたけれども、やっぱり振り切っているからこそです。ナイスバッティングです。この1点は非常に大きかったです」

さらに1アウト・満塁のチャンスで1番・秋山。若鯉に負けじと36歳が芸術的な流し打ちでリードをさらに広げます。

ところが、6回、今シーズン、自身、最多の球数となったアドゥワがノーアウト・2塁・1塁のピンチを招くと、新井監督は2試合続けて森浦を “火消し役” としてマウンドに送ります。

天谷宗一郎 さん
「ここを乗り切っていけば、アドゥワ投手、一皮も二皮もむけると思うんです」

森浦はチェンジアップが切れ味、抜群。3者連続で空振り三振を奪い、完璧なリリーフで期待に応えます。

天谷宗一郎 さん
「すばらしかったです。ストレートの切れもよかったんですけれども、このチェンジアップの制球度っていうのがすばらしかったです」

試合のダメを押したのは、菊池涼介 。レフト2階席まで届く、特大のソロホームランで9点目。2試合連続の2けた安打で巨人に逆転勝利のカープ。今シーズン、初の同一カード3連勝で巨人を抜き、2位に浮上しました。(広島 9-3 巨人)

  ◇  ◇  ◇

田村友里 キャスター
いやあ、うれしい

青山高治 キャスター
うれしくなります。見どころ満載でした。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
何から話しましょうか?(笑)

田村友里 キャスター
そうですよね。言いたいことがいっぱいです。

天谷宗一郎 さん
まずはやっぱり九里投手ですかね。やっぱり苦しかったと思うんですけども、そんな中で粘り切って、そして野手陣がその姿に奮起して、しっかりと勝ち切った。これはチームが乗っていける要因の1つ。大きな要素の1つじゃないかなと思います。

青山高治 キャスター
野手陣としてもクオリティスタートを続けていく九里投手を援護できなかったみたいなところでくやしさもあったでしょうしね。

天谷宗一郎 さん
もどかしいですよね。わかっている分、もどかしいんですけれども、本当にすばらしかったと思いますし、後を受けた森浦投手、2日連続で得点圏の場面であったんですけれども、ストレートが非常によかったなと思いますし、なんと言ってもチェンジアップが自信を持って腕を振っていた。「打てるもんなら打ってみろ」っていうところがよかったです。

青山高治 キャスター
あと、九里投手のお立ち台でのヒーローインタビューの…

田村友里 キャスター
ちょっと声を震わせながら、それだけプレッシャーがかかってたんだろうなっていうのも思いましたし、でも本当に野手のみなさんが絶対、勝たせるんだっていう気迫がいろんなところで見られました。

天谷宗一郎 さん
そうですね。本当に適材適所でしっかりと力を出していましたし。新井監督、この3連戦で非常に早め早めだったんです。選手がいい準備をできている。昨年からやってきたものがチームに浸透しつつあるんだろうなっていうふうにも感じます。

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