■世界パラ陸上競技選手権 第4日(20日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場)

日本で初めての開催となるパラ陸上の世界選手権。T12(弱視クラス)男子走幅跳決勝で、石山大輝(24、順天堂大大学院)が、自身の持つ日本記録を1cm更新する7m08のジャンプで銀メダルを獲得し、パリパラリンピックの日本代表に内定した。

石山は3回目の跳躍で今季自己ベストとなる6m85をマークすると、続く4回目で6m97を跳び、さらに記録を伸ばし3位につけた。この時点で1位の選手は7m30、2位は7m05を跳んでいる。

観客席には大勢の子どもたちや、“一跳入魂”と書いた日の丸を持って石山を応援する人の姿も見られた。3位のまま迎えた最後の6回目の跳躍。石山は両ひざをつき集中し、静かに立ち上がると観客に手拍子を求めた。

その手拍子に乗って勢いよくスタートを切った石山は大きくジャンプ。着地して天を仰ぐとすぐ立ち上がり、観客席に向かって一礼した。2位の7m05を上回る7m08の記録が出た瞬間、上山は喜びを爆発させ両腕を突き上げた。

最後の跳躍で逆転の銀メダルに輝き、パリパラリンピック代表内定の座も掴んだ石山は「“だいきー“っていうお子さんの声援がすごくて『ありがとう!ありがとう!』って言ってたんですけど、すごく大きな声援で、自己ベストを更新できたのも応援のおかげだと思うのでそこを感謝して、しっかりまた明日からトレーニングできればいいかなと思います」と声援に感謝し、次を見据えていた。

今大会はパリパラリンピックの予選も兼ねており、104の国・地域から約1000人のアスリートが出場する。各種目2位以内に入った選手は代表に内定する。

■石山大輝(いしやま・だいき)
2000年4月5日、愛媛県松山市出身の24歳。高校1年生の時、網膜に異常が生じる網膜色素変性症と診断されたが、高校時代は陸上競技の三段跳びに取り組んだ。大学4年生の時にパラ陸上の走幅跳に転向。2023年7月の世界パラ陸上で4位入賞を果たし、今年4月の日本選手権では日本新記録も樹立した。

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