“この男” がグラウンドに立てば、試合に何かが起こる…。ここぞの場面で頼りになる男・松山竜平 。プロ17年目に突入したチーム最年長は、昨シーズン、代打で驚異の .380(50ー19)をマークするなど、“切り札” 的存在として君臨します。
広島カープ 松山竜平 選手
「ぼくはもう今は代打待機で本当に大チャンスのところで出番を待っているので、とにかく大チャンスに行ったときに犠牲フライでもいいし、内野ゴロでもいいので、1点をとにかく取るようにと思って、やっています」
松山の印象的なシーンといえば、5月4日のDeNA戦。同点に追いつき、4番の打順で代打として打席へ―。
実況
「打ちました。ライト、どうだ? 見上げた。ライト、見送っている。ホームラン、入りました!」
松山竜平 選手
「そうですね。久しぶり(2年ぶりホームラン)でしたけど、打った瞬間、行ったのがわかったので、歩いてもいいぐらいでしたね。しかも(森下)暢仁がすごくがんばっていたので、そこで打てたっていうのが素直によかったです」
自身、2年ぶりの一発。昨年。代打で好成績をマークしても、心のどこかで引っかかっていた松山にとって特別な一打となりました。
さらにヒーローインタビューでは、この日の打席は並々ならぬ思いでバッターボックスへ向かっていたことがわかりました。
松山竜平 選手
― きのうのゲームでは代打でくやしい思いがあった中で借りを返す、そんな1本だったんじゃないでしょうか?
「そうですね。本当にもうくやしくて、もうちょっと、何回も寝ても目が覚めて、それぐらいくやしかったので…」
ヒーローになる前日(5月3日)、2点ビハインドで迎えた8回ウラ、3塁・2塁、一打同点の場面で代打起用。その一打に期待がかかる中、内野フライ…
松山竜平 選手
「本当に絶好の場面だったし、そういう場面を逃していたっていうのもあったので、きょうこそはっていうのはあったんですけど。初球から甘い球を打ちにいけたのはよかったけど、そこで仕留めきれなかった自分というのが情けないなと思って。正直、ぼくは開き直っている部分があるので、1打席で打てなくてもしょうがないぐらいで気持ちを楽に行こうと思ってやっているので、その夜だけは本当に自分のバッティングでもなかったですし、そこがもうくやしくて、はい。起きちゃうんですね。本当に1時間おきぐらいに目が覚めて、『うわあ、マジか…』って」
勝つか、負けるか―。そのターニングポイントでバッターボックスに向かう38歳。1打席にかかる重圧は計り知れません。だからこそ、5月4日に放った2年越しの一発には特別な思いがありました。
さらにその裏には長打と確実性を求めて今シーズンから手にした “新しいバットの存在” がありました。
松山竜平 選手
「いつもは本当に扱いやすいようにと思って、バットは作っていたんですけど、ことしに関しては正直、なんて言ったらいいんだろう…、外国人選手が扱うようなバット。芯が広くて、でも、ちょっとトップの方にバランスがあって。長さもちょっと伸ばして、より遠心力を使って飛ばせるようにとは思って」
オフには毎年、欠かさず、バットの試行錯誤を行うも、結果的に扱いやすい、いつものモデルに戻していましたが、今シーズンはこの “新しい相棒” に自信を持ちます。
松山竜平 選手
「ことしに関してはずっと今、これを使い続けてきているので、久しぶりにいい
バットと巡り会えたなと思っています」
ゴールデンウィークで真っ赤に染まるライトスタンドに描いた放物線。新たなバットで放った一発の手応えは、その手にしっかりと残っています。
松山竜平 選手
「本当、久しぶりの感触だったので。おととしも2本打っていますけど、そういう感触がなかったので、それより前ですね、本当に」
毎日のように順位が変わる混戦のセ・リーグ。ロースコアの展開が目立つだけに、ここぞの1本が大きく左右します。のしかかる重圧を力に変える松山―。新たなバットから鳴り響く快音が、球場のさらなる歓声を引き起こします。
松山竜平 選手
「うちも含めて各球団、力の差がほとんどないので、そこでぼくは、ぼくのできる仕事、任されたところでいいところで打てるようにという。スタートでも代打でもいいところで1本、なんとか1本打てるようにというふうには心得て準備しています」
◇ ◇ ◇
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
めちゃくちゃ簡単に言っていますけど、本人が言うように、ここっていうところで使われているわけですからプレッシャーはすごいと思うんです。
石田充 アナウンサー
相手ももちろん、松山選手対策で出てくる “勝利の方程式” に近いピッチャーなわけですから…
天谷宗一郎 さん
元気な中継ぎピッチャーが出てくるんですから。
石田充 アナウンサー
そういったところでことしも結果を残している松山選手です。
天谷宗一郎 さん
あと、バットもやっぱり年齢を重ねたら、打ちやすいバットにどんどんシフトチェンジしていくはずなんですけど、そことは逆に行っている。ただ、いいものは残しながら昔のパワーを取り戻した。そこも、探究心もそうですし、日々のトレーニングもしっかりしている証拠なんだろうなと思います。
青山高治 キャスター
インタビュー冒頭にバットを肩に入ってきたときにかっこいいなというバットでしたね。
天谷宗一郎 さん
迫力なかったですか。今から打席に行きますかっていう感じでした(笑)
石田充 アナウンサー
外国人が使うようなものに近いというタイプの新しいバットですけれども、一発があるということで、相手ピッチャーからしてもより怖さが増しているという38歳です。
(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)
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