石田充 アナウンサー
ある意味、“この男” の活躍が、広島カープの勝敗に直結しているとも言えます。小園海斗 選手です。今、チームに欠かせない存在になっています。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
ぼく、個人的に「キーマンは小園選手」って言ってきましたから、ずっと開幕前から。

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チームの “軸” として期待される今シーズンについて小園選手に話を聞きました。

広島カープ 小園海斗 選手
― 6年目のシーズンが幕を開けましたが?
「うまくいかないこともありますし、うまくいっていることもあるので、まだ試合は少ないですけど、本当にいい勉強になっているシーズンになっているかなと思います」

― ことしは3番でスタメンが続いているが?
「自分の実力的にはまだまだですし、本当に使ってもらっているっていう思いで、感謝しかないかなと思っています」

開幕からチームで唯一、全試合スタメンで起用され、打順も変わらない 小園海斗 ―。高卒1年目の鮮烈デビュー(2019年6月)から早くも5年が経ち、今やカープに欠かせない存在となりました。

そんな小園に、開幕直後の心境を聞きました。

小園海斗 選手
― 1年前の開幕と比較してどうですか?
「いや、去年は本当に全然、ヒットが打てなかったので苦しかったですし、ことしに関しては最初から1打席目でヒットが出たので少しほっとしましたね」

去年の小園はオープン戦から調子が上がらず、開幕してからも16打席ノーヒットと、シーズン序盤に苦しみました。しかし、ことしは初打席でヒットを放つと、いきなり猛打賞の活躍。積極的な打撃が功を奏しています。

小園海斗 選手
― あの打席は初球でした。行くと決めていた?
「甘い球というか、なかなか失投がないので、本当に失投が1球目に来たので、それを打つことができたので、とにかくいいスタートが切れたなと思っています。緊張はそんなにしていなかったので、すんなり入れたので、自分のやるべきことをやろうって落ち着いて入れたぶん、できたんじゃないかなと思います。数多く塁に出ないといけないタイプだと思っているので、そこは意識して塁に出られるようにできたらなと思っています」

小園の成長はバッティングだけではありません。このオフに取り組んできた走塁の成果もさっそく “実り” を見せます。4月3日の地元開幕戦。第3打席、フォアボールで出塁した小園は、続く堂林の打席で投球がワンバウンドしたのを見逃さず、すかさず2塁へ向かいました。

小園海斗 選手
「うまく体が反応して…。“ワンバウンドゴー” っていうのは、キャンプでも口酸っぱく(藤井彰人)ヘッドコーチに『アウトのタイミングでもいいから、どんどん行け』って言ってもらって練習を数多くしてきたので」

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
「これ、ワンバウンドを武器に、ワンバウンドがいいピッチャーというのは、データとして入っている。だからこそ思い切って行けた。いい準備をしていたと思うんです。小園選手がどこでスタートを切ったか。ボールがベースを通過するあたりで『ワンバウンドだ。行ける』と。藤井ヘッドの後押しもあったと思うんですけれども、彼にとっては今後を左右する大きな武器の走塁になったんじゃないかなと思います」

そして、2塁に行った小園は、秋山翔吾 のレフトへの当たりで一気にホームへ。判定はアウトになるのですが、リクエストの結果、判定が覆りセーフになりました。ただ、本人にとっては反省も多かったといいます。

小園海斗 選手
「ちょっとリードだったりシャッフル(※ 飛びながら第2リードをとること)がちっちゃかったっていうのはあるんですけど、シャッフルとかリードの大きさとか、ちょっとだけでセーフかアウトか変わってくると思うので、そこも勉強になりましたし、練習から想定してやっていくべきだなと思いました。ちょっと(走塁が)ふくらんじゃったので、やばいなって思いながら正直、走った部分もあって。あの走っている最中にいろいろなことを考えていました」

実際に一度はアウト判定になってしまった走塁。小さな意識と動きが1点を分け、勝敗を左右します。

キャンプ中に 天谷宗一郎 さんがインタビューした 菊池涼介 選手も「リーグ優勝の1つのカギは走塁にある」と語っていました。

広島カープ 菊池涼介 選手(3月)
― (優勝)経験者だから感じたり思ったりする “優勝するチームの条件” は?
「本当に小さいところですよね。小園がきょう(練習試合で本塁に)帰って来れなかったですけど、あの1本で帰ってこれるか、帰ってこれないか。ボールを見ながら走ってちゃ帰れないよねっていう、そういう小さいところだとぼくは思います。本当に帰ってやるんだと。あそこのファーストランナーにいて、カチンと打った瞬間に『この1本で帰ってやるんだ』っていう意識」

小園海斗 選手
― キャンプで菊池選手が「ワンヒットでちゃんと帰ってこれるように」って口酸っぱく小園選手に言っていたが?
「塁に出ることがぼくの持ち味だと思いますし、後ろの人に返してもらうっていうのが一番、理想かなと思うので、(走塁で)チャンスを作っていけるようにこれからもやっていきたいなと思います」

インタビュー中にも「日々、勉強」という言葉を多く口にした小園。チームの “軸” として期待のかかる6年目のシーズンは始まったばかりです。

広島カープ 小園海斗 選手
― 今、首脳陣はチームの軸の1人だと、起用法を見ても感じるが?
「やっぱり、そうやってもらっているぶん、結果っていうのが求められますし、プレッシャーもあるんですけど、思い切ってやって、ミスとかもぼく、けっこう多いのであれですけど、チームみんなで勝てる試合っていうのを数多くしてやっていくことが大事かなと思うので、そこに1つでも貢献できるようにやっていけたらいいと思っています」

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RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
6年目、ショート、3番。まさに “軸” ですけれども、まだ6年目ですから。どんどん行ってほしいし、まだチームの勝敗を背負うには 菊池涼介 選手であったり 會澤翼 選手であったり、ベテランが背負えばいい。だから自分を信じて、どんどん突っ走ってほしいなと思います。ちょっとでも行く道がそれたら、「おいおい、違うぞ」って 秋山翔吾 選手であったり菊池選手が戻してくれると思うんです。それぐらい突っ走って、今シーズンは自分のやりたいことを振り切ってやってみたらいいんじゃないかなと思います。

青山高治 キャスター
とにかく塁に出るっていう姿を見たいです。

天谷宗一郎 さん
そうですね。ただ、3番に入っているんだったら1番・2番を返すっていう気持ちもちょっとほしいです…(笑)

(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)

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