男子予選で2位に入った岡慎之助のあん馬 =高崎アリーナ(福島範和撮影)

体操のパリ五輪代表2次選考会を兼ねる個人総合の全日本選手権第2日は12日、群馬県の高崎アリーナで男子予選が行われ、岡慎之助(徳洲会)が2位に入った。

最終種目のつり輪で着地をピタリと決めると、岡は右拳を握りしめた。床運動では全体2番目の得点を出すなどし、6種目合計86・166点をマーク。「最低限ですかね」と控えめに振り返ったが、橋本に次ぐ2位につけた。

前途多難なスタートだった。最初の跳馬は着地で大きくバランスを崩すと、続く得意の平行棒でも大きなミスをし、得点を伸ばせなかった。それでも、「平行棒で失敗しても次の鉄棒で切り替える練習はできていた」。事前にタブレット端末に記しておいた演技の注意点を見返し、残された4種目に集中。その後は安定した演技を披露して、着実に順位を上げた。

2019年世界ジュニア選手権覇者の20歳には、全日本でつらい過去がある。22年の予選を3位で通過しながら、決勝で右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った。厳しいリハビリを乗り越え、恐怖心をも振り払い、2年越しに実力を見せつけた。

パリ五輪出場権獲得へ好位置につけ、「パリは絶対個人総合で出る」と力強い。「しっかり着地まで決めきることを意識してやりたい」と、14日の決勝を見据えた。(小川寛太)

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