歴史的な連敗を抜け出し、ここから勢いに乗りたい広島カープは11日、連勝を目指して阪神との第3戦に臨みました。

1勝1敗で迎えた3戦目。2年ぶりとなる甲子園でのカード勝ち越しを目指すカープの先発は、大瀬良大地 。2度目の先発で初勝利を手にしたいところですが、先頭・近本光司 にいきなりツーベースヒットを浴びてしまいます。

2アウトまでこぎつけて迎えるは、4番の 大山悠輔 。大きな当たりでしたが、レフト・秋山翔吾 がナイスキャッチ。2試合連続の大ファインプレーで無失点で切り抜けます。

打線は4回、10日の試合で37イニングぶりの得点を呼び込んだ 小園海斗 。打球がショート後方に落ちると、積極的な走塁でセカンドまで進みます。

ノーアウト・2塁で4番、打率3割5分超えの 堂林翔太 。打球はライト線へ落ちますが、わずかにファウル。その後、阪神先発・西勇輝 の前に1本出ず、0対0のまま速いテンポで試合は後半戦へ。

阪神打線を4安打に抑えてきた大瀬良は7回、先頭・佐藤輝明 との対決。センターへの大飛球をつかんだのは、久保修、23歳。抜ければ大ピンチでしたが、この回から守備に就いていた久保がフェンスに激突しながらも執念のキャッチを見せます。

若鯉のファインプレーにも助けられた大瀬良は、最後まで攻めのピッチングで7回を無四球・無失点。勝ち星はつきませんでしたが、しっかりと役目を果たしました。

大瀬良大地 7回 球数90 被安打4 奪三振5 失点0

8回、2番手は “勝利の方程式”・島内颯太郎 。150キロを超えるストレートが最大の武器ですが、キャッチャー・會澤翼 がそのストレートを封印。打者3人に1球も使わず、全球チェンジアップを投げ、内野ゴロ3つ。相手の裏をかき、三者凡退に抑えます。

島内颯太郎 1回 球数9 被安打0 奪三振0 失点0

0対0の9回、重い展開を突き破ったのは、3番・小園。阪神2番手・ゲラの初球をとらえ、ライト前へ。小園らしい積極打法で出塁すると、前の打席にヒットを放っている4番・堂林は、今シーズン初めてのバント。4番が1球で決めて得点圏にランナーを進めます。

このチャンスで久保に変わる代打は、“切り札”・松山竜平 。…でしたが、今シーズン初の三振に倒れ、2アウトになります。

またしても、スコアボードにゼロが9つ並んでしまうのか…。バッターボックスには、3打席ノーヒットで打率1割台の 田村俊介 。3球目をフルスイング。センター・近本のグラブは届きません。小園が先制のホームイン。そして田村は3塁へ激走。20歳の若鯉・田村のプロ初タイムリーで9回、2アウトから待望の先制点を奪います。

9回ウラは、“守護神”・栗林良吏 。先頭・中野拓夢 にセンターへ弾き返されますが、途中出場の 上本崇司 が体を宙に浮かせ、華麗なダイビングキャッチ。

栗林は、その後、2つの三振を奪うパーフェクトリリーフ、虎の子の1点を守り切りました。

カープは、今シーズン初の完封勝利で2年ぶりに甲子園で勝ち越しました。(阪神 0-1 広島)

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青山高治 キャスター
きのうの勝利は大きいですよね。

コメンテーター 木村雅俊 さん(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
やっぱり田村くんが打つと、チームが元気になるじゃないですか。ファンもそうだと思うんですけど、今までなんとなく「打てない。打てない」って沈滞ムードがあったのが、若手がガーンと打つと一気に違う勢いが出てくると思うので、かーぷがまた新しいエンジンを付けたような気がします。

青山高治 キャスター
そうですね。活躍の向こうにいろんな未来が見えて、うれしくなります。でも、甲子園で勝ち越せたのもチームとしては大きかったですね。

木村雅俊 さん
苦手だったので、去年から負け続けて、こうやってビッグプレーがいっぱい出て、久保くんのプレーなんて、打球が抜けていたら危なかったですよね。

中根夕希 キャスター
守備も前向きに攻めている感じがします。秋山選手の姿を見て、久保選手もこういうナイスキャッチがあるんでしょうから、チームの雰囲気がどんどん上向いているなと感じます。

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