1日、宮崎県宮崎市にある剣道道場の創立50周年を記念した大会が開かれ、剣の達人たちが集いました。

大会の陰には、少年剣士の成長を願う警察官OBの姿がありました。

宮崎市にある朱雀館道場。
小中学生約50人が日々稽古に励んでいます。

子どもたちを指導するのは、宮崎県警機動隊剣道特練員のメンバー。
全国屈指の実力を持つ隊員たちがボランティアで指導しています。

その朱雀館の館長を務めるのが、警察官OBの大重浩一郎さん(70)です。
警察官になった23歳の時に指導者となり、2001年に館長に就任。
海外でも剣道の普及に尽力し、多くの剣士を育ててきました。
その大重館長が、いま心に決めていることがあります。

(大重館長)
「館長は来年3月で卒業しようかなと」

朱雀館50周年の節目に館長引退を決めた大重さんは、今回特別な思いで記念大会を準備していました。

(大重館長)
「試合を見て、子どもたちが自分の剣道に夢と目標を持ってくれればいいな〜という風に考えてはいる」

大会当日、会場には小中学生だけでなく大人たちの姿が・・。
剣道界の最高段位である八段の腕前を持つ剣道家です。
合格率が毎年1%に満たない、国内最難関と言われる試験を突破した剣の達人たちです。

(大重館長)
「大都市に比べると、むこうの方では毎年見られるような(八段の)試合・演武が、宮崎の子どもたちは見れんわけやな。だからこういう試合もあるんだ、こういう演武があるんだよ、というのを見せて、よし僕もこういう剣士になりたいとか大きな目標を持ってもらえれば本望だなと思って」

この日は県内から33年ぶりに居合道の最高段位・八段に合格した、延岡市の佐藤三郎さんが演武を披露。
また九州各県の警察署から六段の剣士を招いて、トーナメントも行われました。

6段選手権一本集3本ほど一流の技を目の当たりにした子どもたちは…

(少年剣士たち)
「自分の剣道が磨いてあって強かったです。」
「自分が間合いに入ってから打ったり相手がくるのを応じたりするのがすごいと思った。」
「勉強になりました。」
「全国大会も優勝する剣道の人になりたいです。」

さらにこの日は、剣道の大会では珍しい形の美しさを競う試合が県内の中学生が参加して行われました。
「基本」を重視する朱雀館ならではの試合です。

(中学生剣士)
「形の足さばきとか振りかぶ方もこれからの剣道に生かしてやっていきたい。」

(大重館長)
「本日の大会は、みんなが勉強という位置づけもあるんですよね。」
「少年剣士たちの今後の剣道の姿に少しでも表れてくれればこれ以上の幸せはない。」

Q70歳を超えてもまだ剣道勉強されるんですね?
「剣道はですよ、生涯剣道ですね。」
「生涯剣道と言うからには一生通じてやっていくものと思っていますのでそれを貫きたい。」

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