バレーボール界に新たな風が吹いている。国内最高峰のリーグ、SVリーグで今、女性ファンを中心とした熱狂的な応援が巻き起こっているのだ。

その中心にいるのが、愛知県岡崎市をホームタウンとするジェイテクトSTINGS愛知。パリオリンピック出場選手を擁するこのチームは、なぜこれほどまでに女性ファンの心を掴んでいるのか。その秘密に迫った。

来場者の7割以上が女性ファン

「自分の好きな選手を見つけやすいっていうか」「スター選手が増えた」「イケメンが多いからじゃないですか」ファンの声を聞けば、その人気の理由が見えてくる。ジェイテクトSTINGS愛知の試合では、来場者の実に7割以上が女性ファンだという。

9月に行われた公開練習では、平日の日中にもかかわらず500人を超える大勢のファンが訪れた。その多くが女性だ。

絶大な人気!パリオリンピック™で活躍した「日本代表トリオ」

チームの魅力は何と言っても選手たち。特に、パリオリンピックで活躍した「日本代表トリオ」は絶大な人気を誇る。

エーススパイカーの宮浦健人選手は、左から繰り出される強力なサーブとスパイクが武器だ。「流れを変えてくれるプレーとか、チームを盛り上げてくれるプレースタイルが好き」とファンは熱く語る。

宮浦健人選手

チームの司令塔、セッターの関田誠大選手は、正確無比なトスワークでファンを魅了する。「華麗なトスさばきが好き」「いろんな人を使っての攻撃がすごい。きれいにトスを分散して惑わしている」と、その技術の高さに惚れ込むファンも多い。

関田誠大選手

今シーズンから加入した髙橋健太郎選手は、気迫あふれるプレーで人気を集めている。現在はひざの手術の影響でチームを離脱中だが、彼の復帰を心待ちにするファンは多い。髙橋選手自身も「ブロックが買われてチームに入団したんですけど、それを見てほしい。熱いプレー、気迫のあるプレーを見せたい」と意気込む。

髙橋健太郎選手

「推し活で元気になれるんだよね」

ある女性ファンは、こう語る。「関田君も好きだし、宮浦君もね~。健太郎君もね!見たくて見たくて、会いたくてね!このために働くみたいな。おばちゃんの推し活で元気になれるんだよね」

この言葉に、バレーボールが単なるスポーツ観戦を超えた存在になっていることが表れている。選手たちへの応援が、日々の生活に活力を与える源となっているのだ。

コンセプトは“家族で楽しめる”

しかし、ジェイテクトSTINGS愛知の魅力は選手だけではない。チームは「家族みんなで楽しめる」をコンセプトに、様々な取り組みを行っている。

チームの広報部長は「いろんな催し物をして、ただ試合を見に来るだけではなく、家族がみんなで来て一日過ごせる場所を提供したい」と語る。その一環として、今シーズンからリニューアルされたのが屋外施設「スティンビーランド」だ。ここでは、子どもから大人まで参加できる様々なミニゲームが用意されている。

ジャンプ力を競う「跳人王」、ボールに触れればチャレンジ成功の「フライング・レシーブチャレンジ」、的に向かってサーブを打つ「サーブチャレンジ」など、バレーボールにちなんだゲームが盛りだくさんだ。

家族連れのファンからは「子ども向けのものもあってすごく楽しいです。いろんなイベントがあるのはうれしいですね」「子どもを連れてちょっとのぞきに行こうかなと思えるのがいいなと思います」といった声が聞かれた。

さらに、試合前にはアリーナ内のコートが開放され、選手がどれほどの高さでプレーをしているのか、間近で実際に体感できる機会も設けられている。

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