2024年でファイナルを迎える東日本女子駅伝。実力が拮抗し、どのチームが頂点に立つか分からないまさに“群雄割拠”の今大会には、群馬から大学トップランナーの一人・不破聖衣来選手とともにエントリーする「不破三姉妹」。茨城からは互いの力を補う双子の佐々木芽衣・瑠衣姉妹。秋田からは、オリンピアン・鈴木優花選手の妹・彩花選手が参加。そして、地元・福島は勢いある若さを武器に、有終の美を飾ろうと最後の大会に臨む。
<地域に愛された大会>
40年間、晩秋の福島を彩ってきた東日本女子駅伝。躍動するランナーの走り、福島が誇る景色、そして沿道から送られる温かい声援…すべてが大会を象徴する光景だ。
駅伝のコースともなっている福島市のフルーツライン沿いにある直売所の看板娘を務める河野延子さん(93)は、駅伝をずっと応援してきた。
「毎年、一番楽しみだったの11月は。みんなで集まって来て、すごかった」と話す。
<一番の楽しみ 河野延子さん>
10年前に取材した時の映像には、延子さんが駅伝のパンフレットを大切に保管している様子が残っていた。延子さんは当時、理容所を営んでいた。理容所があるのは42.195キロの折り返し地点。毎年、家族や友人、孫と一緒に沿道からランナーに声援を送ってきた。
延子さんは「11月というと、頭にあるのは女子駅伝だから。それがなくなると寂しい。39回だものね。本当にすごかった。最後の大会も、お友達呼んでそしてみんなで応援しています」と話した。
縁
<第1回大会に出場 阿部縁さん>
「雨の日ですごく寒くて、自分もあまり調子も良くなく。あまりいい結果ではなかったですけど。自分の中では、辛かったなとか寒かったな。申し訳なかったなという気持ちばっかりでしたね。いいことはあまり覚えていない」と話すのは、第一回大会で福島県チームの1区を任された阿部縁さん。
その後も、第2回・第4回大会と東日本女子駅伝に出場。阿部さんはコーチを経て、福島県チームの監督も務め選手たちの成長を見守ってきた。
阿部さんは、後輩ランナーたちに向け「一番は自分のために、チームのために精一杯。駅伝という醍醐味は、タスキをつなぐ・心をつなぐ・気持ちをつなぐ、待っている人がいるので最後まで頑張りきれること。最後の絞り出しじゃないが、そういうことを楽しみながら走ってもらえればいい」と語った。
<歴史を塗り替える 湯田和未選手>
福島県チームの最高順位は2位。強い思いで最後の大会に臨むのが、学法石川高校・湯田和未選手。2024年10月に開かれた国民スポーツ大会では、6位に入賞した実力あるランナーの一人だ。
学法石川高校の松田和宏監督は「練習はみんなと普通にやっているが、本番の強さというか、気持ちの強さは他の人とちょっと違うと感じる。試合になると、集中して目標に向かって一直線に頑張る子。そういうところが、他の選手と違って強さの秘けつだと思う」という。
中学2年生の時に出場した第36回東日本女子駅伝では、4人を抜き区間2位の成績を残した湯田選手。あの日から3年、成長した姿を福島路で見せる。
「最後の大会ということで、地元の方々も毎年たくさん応援してくださるので、その方々を笑顔に出来るような、また自分にも自信につながるような走りをしたいと思う」と語った。
<若さを武器に 福島県チーム>
第38回大会では、16大会ぶりの3位表彰台に立った福島県チーム。福島県高校駅伝で区間賞を独占した学法石川高校勢を中心に“若さ”を武器にレースに臨む。
二本松第一中学校の田中悠莉選手は「憧れの先輩がたくさんいるので、良いところを吸収して自分の走りに繋げられたらと思っています」と話す。
また中村第一中学校の小野田美咲選手は「39回目なのでサンキューの気持ちを持って駆け抜けたいと思います」と語る。
勿来第一中学校の安藤万葉選手は「今まで支えてくれた家族や指導者への感謝の気持ちを持って最後まで諦めず走りたいです」と話した。
実力ランナーが集う百花繚乱の東日本女子駅伝・ファイナル。最後の号砲は11月10日にならされる。
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