サッカー日本女子代表・なでしこジャパンは、パリオリンピック™後初めてとなる国際親善試合で、26日に韓国との戦いに臨む。発表されたメンバー23人の中で、特に注目されるのが、19歳のMF谷川萌々子だ。
パリ五輪ではブラジルを相手にスーパーゴールを決め、一躍脚光を浴びたニューヒロイン。高校卒業後、海を渡り、スウェーデンで初めてのプロ生活に挑んでいる谷川が、現地での生活を初公開してくれた。
彼女が所属するローゼンゴードは、開幕から無傷の22連勝を記録し、スウェーデン女子1部リーグで優勝した。そんな強豪で10番を背負う谷川は、チームでも得点を重ね、ボランチながら14ゴール。得点ランクでリーグトップに立っている(18日現在)。
ホームスタジアムの入口には彼女のポスターが並ぶ。まさしくチームの「顔」となっているが、本人は「最初見た時は『うわっ!自分じゃん』と思いました」と笑い飛ばす。満点とも言えるパフォーマンスにも「100点ではないです。まだまだです」と満足することはない。
海外挑戦1年目、しかもプロ1年目の谷川が、なぜこれだけの結果を残しているのか。その理由を探るべく、スウェーデンの自宅を訪ねた。
寝室を覗くと、そこに置いてあったのは体重計。「朝ご飯を食べる前に、毎朝はかるようにしています。今日はどのくらいなのかな、だからどのくらい食べようかなというのは気にかけています」と語る様子に、プロ意識の高さを垣間見た。
リビングには、体をケアするためのグッズが揃う。お風呂上がりに約1時間、映画やドラマ、大好きなバルセロナ女子の試合映像を見ながら入念にケアをおこなっているという。さらに、英会話の勉強も欠かさない。高校生の時から海外挑戦を見据え独学で英語を学んでいたという谷川。今も練習から帰った後に週2日、オンラインで2時間英会話のレッスンを受けている。英語でおこなわれるチームミーティングも、今では問題なく理解できるという。
華々しい活躍の裏には、ピッチ外での地道な努力の積み重ねがあった。
そんな19歳の姿をチームメイトはどう見ているのだろうか?
スウェーデン代表として2度のW杯(19年・23年)と五輪(リオ・東京)に出場したFWオリビア・スクーグ(33)に谷川の印象を聞くと、「モモ(谷川)は人間としてもサッカー選手としてもとても成熟しています。誰も彼女がまだ19歳だとは思っていませんでした。19歳と聞いて『ヤバイ、ドウシヨウ』という感じでした」と、谷川から伝授された日本語を交えて答えてくれた。
スウェーデン代表として国際Aマッチ240試合出場、代表キャップ数のヨーロッパ記録を持つレジェンド、MFカロリーネ・セーゲル(39)は、「私は長い間サッカーに携わってたくさんの選手とプレーしてきましたが、モモ(谷川)ほど優れた選手とプレーしたことはありませんでした。彼女は世界最高の選手になる可能性を秘めています。日本代表を次のレベルに持っていくのに貢献できると思います」と、彼女の将来に期待を寄せている。
最後に、谷川にどんな選手になりたいか聞いてみた。「一番の目標は世界一のプレーヤーになりたいですし、勝負を決められる選手になりたいなって思います」
谷川がその目標を叶えた時、なでしこジャパンを再び世界一に導いてくれるはずだ。
■谷川萌々子(たにかわ・ももこ)
2005年5月7日生まれ、愛知県出身。身長168センチ、体重58キロ。高校卒業後、バイエルンミュンヘンに加入。1年目はスウェーデン1部・ローゼンゴードに期限付き移籍し、武者修行中。サッカー日本女子代表。
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