沖縄競泳界の歴史を塗り替える新星、那覇西高校1年の平良吏美華選手。
▼同じ水泳部の男子生徒 「誇らしいです。(競技のときは)めちゃ真剣な顔して俺のこと眼中にない感じで(笑)」
▼サッカー部の男子生徒 「ライバルです。吏美華のおかげで1年9組が盛り上がっているから自分たちもついていこうみたいな、そういうライバル」
ー体育科での高校生活はどう?
▼平良吏美華 「楽しいです。いろんな部活の人がいるのでいろんな刺激をもらえたり」
9月の国民スポーツ大会(旧国体)、自由形(少年B)50m決勝に進んだ平良は、苦手のスタートで出遅れますが、抜群のスピードで追いあげ1着。国スポでの県勢競泳界初の日本一、さらに100mとともに2冠を達成しました。
今年3月には、中学3年で国際大会アジアエージグループ選手権(15~17歳の部)に出場し、100mと混合400メートルフリーリレーで2冠、偉業を達成しました。
「感覚的には、普通に歩いている、みんなが歩いているような感じで。泳ぐのって楽しいなって思いながら、泳いでいます」
大舞台を経験し、メンタルの強さが増したことが飛躍の要因と語るのは、コーチを務める父・俊晴さん。そしてもうひとつ、強さを支えるのが…
▼父・俊晴さん 「体が、日本の中では大きい方なので、体格には恵まれていると思います」
身長は170センチ、手足も長く、恵まれた体格は選手としては大きな魅力。
ですが、本人の思いは少し違うようで…
▼平良吏美華 「ちょっと大きすぎたかな(笑)」
ー目立つのが嫌?
「嫌です、幼稚園からずっとデカかったので…みんなと一緒くらいの身長の世界を見てみたかったなって」
「陸トレ」と呼ぶフィジカルトレーニングの日は、水の中とは少し違う表情を見せてくれました。
ー陸トレ撮られるの嫌?
▼平良吏美華 「あまり撮られたことがないんですよ、だからちょっとありのままをさらけ出すのは怖い。見られるの恥ずかしいなって(笑)」
▼父・俊晴さん 「バーベル持っているところはい“画”になるよ!」
高校進学の際、県外の高校からも誘いを受けていた平良。競技のためには、県内進学か県外か迷いましたが、県内で進学した決め手は、ずっと指導を受けてきた父の存在。そして、共に練習するきょうだいたちへの思いがありました。
実は平良選手は、6人きょうだいの長女なんです。
▼平良吏美華 「家が一番いいなと。(父:フフフ)ずっと思っていたので、家にいたかったです。それが一番安心します」
▼父・俊晴さん 「(県外に)行ってもらいたいという気持ちもあるけど、父親として考えるとまだ早いな。でも行きたいというなら…行かそうかなと思ってたんですけど、残ってくれた。父親としてはすごく嬉しかった」
▼平良吏美華 「同じ気持ち(笑)」
それでも、将来はオリンピックをめざす平良は、2年半後の大学進学では競技力向上のために県外の大学を選ぶつもりです。
「あと2年しかないな、って思い始めてきて。その2年でもっといい結果を出せたらなって思っています」
▼父・俊晴さん 「子離れできるか、頑張ります(笑)」
▼平良吏美華 「去年初めてアジアエージ(選手権)に選ばれてから、テレビの中の世界だったオリンピックが前と違った感じに見えてきて。4年後にロスオリンピックに出て、女子の短距離でも世界で戦えることを見せたいです」
県勢競泳界初のオリンピックをめざす16歳。家族とともに、さらなる高みをめざします。(取材 下地麗子)
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