16日、関西テレビ「newsランナー」のスタジオには、パリオリンピックのセーリングで、日本勢20年ぶりのメダルを獲得した、岡田奎樹選手と兵庫県育ちの吉岡美帆選手が出演し、喜びを語りました。
メダル獲得の瞬間、吉岡選手はちょっと控えめなリアクションの一方で、岡田選手が喜びを爆発させるという様子でした。吉岡選手はどうして控えめだったのでしょうか。
【セーリング銀メダル 吉岡美帆選手】「フィニッシュした後に、メダル獲得っていう認識はあったんですけど、なかなか実感することができなくて。(岡田選手が)すごい雄叫びあげてるなあって、冷静な感じで」
一方の岡田選手は…
【セーリング銀メダル 岡田奎樹選手】「あそこまで喜んでいるつもりはなかったんですけど、見たら、『すごいな』みたいな(笑)。思ったより、喜んでいるなと思いました」
■子供たちがメダル触るのも「落としたら落としたで」
メダルを取って周囲の反応に変化はあったのでしょうか。
【岡田選手】「たくさんの方におめでとうと言っていただいたりとか、あとは子供たちも注目してくれて、たくさん来てくれてよかったなと思いました」
2人が参加したイベントで、大勢の子供たちがメダルを触っていました。
岡田選手は子供たちにメダルを触ってもらうことについて…
【岡田選手】「『まだ触ってない人は?』(と声を掛けました)。まあ落としたら、落としたで(問題ありません)」
と、「神対応」。子供たちに競技の魅力を知ってもらいたかったということです。
■岡田選手は「風を読む天才」
そして2人の強さの秘密を探っていくと、それぞれの強みがありました。
まず「吉岡選手が考える、岡田選手のここがすごい」は、「風を読む天才」。
【吉岡選手】「セーリングというスポーツは風を利用して走るので、いち早くいい風を取りにいくっていうのがすごく重要で。岡田選手は、ほかの選手が見えない風も見えていて、いち早く取りにいけるっていうのが、この『風を読む天才』っていう意味ですね」
そもそもペアを組むときも吉岡選手から声をかけたという2人。
その時から岡田選手は、「風を読む天才」だったのでしょうか。
【吉岡選手】「あんまり話したことはなかったんですけど、はたから見ていても、コースの取り方とか風がよく見えているんだろうなあっていう印象がありました」
岡田選手の風の読み方とは。海の写真をもとに解説をお願いしました。
【岡田選手】「岡田『風予報士』がお伝えします!このあたりにまず一番わかりやすくあの風がありますね」
まず指したのは、波が立っているところです。
【岡田選手】「これ実は風の方向もわかりまして、手前から沖の方に向かって風が向こう側にいっているような状況の絵(写真)です」
海を見ればわかるのでしょうか。
【岡田選手】「わかります!もし沖から風が吹くと、遠くからずっと風がやってきているので、波の高さが高くなっていくんですね。そして風が吹き続けると、それがどんどん、どんどん、倍々で波が高くなっていくんですが、波がほとんどないように見えるので、まず沖からの風ではないだろうということがわかります」
【岡田選手】「(風向きが)左右ではない理由としては、まず風の段差がまずここにある。次ここにあって、ここにあって、奥が濃くなっていって、どんどんもっと黒い色になってますよね。もし左右からだと、奥から手前にかけて同じラインになっていくんですね。それがこっちのラインが横にこのようになっているので、手前から奥、どっちかなんですけど、波の量と風のラインの向きで見ております」
たった1枚の写真から、あっという間に風の向きを読み取ってしまいました。
■吉岡選手は「努力の天才」
そして「岡田選手が考える、吉岡選手のすごさ」。
吉岡選手は「努力の天才」ということです。どんな場面で感じるのでしょうか。
【岡田選手】「『見えない風』の時があって、予測をしてある程度やらなきゃいけないところもあるんですが、その時はやっぱりタフになってきて。吉岡さんのポジションは(ヨットの)外に(体が)出ているんですが、かなりパワーとか使ったり、舵で方向転換したりとか、波に打たれて、体幹が相当強くないと耐えられないんですね。
これをトレーニングしていかなきゃいけないんですが、このトレーニングがものすごい地味なんですね。体感トレーニングでめっちゃ地味なんです。寝転がっているだけにしか見えないようなトレーニングなんで、(吉岡選手は)それはもうこつこつと続ける。努力し続ける。その地味な作業の積み重ねが今に至るのではないかなと思います」
■今後の目標は
最後に今後の目標について聞きました。
【吉岡選手】「私たちがこうして銀メダルを取れたことで、セーリングが今までより知られたと思うので、もっともっとこのセーリングの素晴らしさとか魅力を発信していけたらなって思っています」
【岡田選手】「やっぱり、金メダルをかけて一段高いところに立っている選手をうらやましいなあと思ったので、次は自分がその場に立ちたいなと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2024年9月16日放送)
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