シリーズでお伝えしている「かちスポ」。
今回は女子ボクシングです。佐賀県代表としてインターハイに出場し、優勝を目指す佐賀市の高校生ボクサーの道のりを追いました。

得意パンチは右ストレートから左フックのコンビネーション。
強力なパンチを放つのは、高志館高校3年太田彩睦選手です。

【彩睦さん】
「(インターハイでは)最初から最後まで自分の戦い方を貫いて優勝したいです」

今年3月に岡山県で行われた高校ボクシングの全国大会の女子フライ級で優勝。
日本トップクラスの実力の持ち主です。
身長167センチの太田選手。
腕の長さは171センチと長いのが強みです。

ファイトスタイルは、相手の攻撃が届かない距離で自分のリーチの長さを生かして攻撃を当てるアウトボクシングです。

【男子部員】
「めちゃくちゃうまいですリーチが長いので入り込もうとしても距離取られて入りこめないので当てるのは難しいです逆にもらってしまいます」

高志館高校ボクシング部は県高校総体で13回の優勝を果たした名門校。
全国優勝や上位入賞の選手を多く輩出しています。
太田選手はそんな男子部員に混じって練習に励み、体力の強化や筋力トレーニングも一緒に行っています。

【後輩女子部員】
「学校では優しくて明るくて面白い先輩で部活になったら真面目で自分ができてないところは的確に教えてくれるからめちゃくちゃ良い先輩」

太田選手がボクシングを始めたのは中学1年生の時。
小学校まで続けていた空手に打ち込む姿を見た両親が何気なく勧めたのがきっかけで、ボクシングジムに通い始めました。

【彩睦さん】
「顔を殴られるのが怖くて抵抗があって嫌でした」
Q.どうして続けられた?
「練習していく内に負けたくない気持ちが出てきて続けています」

【太田彩睦選手】
「ぶどうの実を大きくするための2番枝切りをしています」

高校では園芸について学んでいる太田選手。
この日はブドウ畑で手入れの実習です。

「今は減量中じゃないです」
「お弁当誰が作ってくれているの?」
「お母さんです」
「中身みても良い?」
「贅沢」

学校生活では親友と弁当を食べるのが楽しみで、部活の時とは違った笑顔を見せます。
そんな太田選手が勝負へ向かう原動力になっているのは負けた悔しさ。

【彩睦さん】
「高校1年生の時に同じ相手に2回負けてそれが悔しかった。体力と筋力を付けて戦い方を1回考え直しました」
Q.変化は?
「1年生のころは、3ラウンド戦う体力が持っていなかったんですけど、2年生になってからはしっかりと3ラウンド戦えるようになりました」

【前田真一監督】
「本人ともしっかりと話した中で強いパンチを打たんとチャンピオンにはなれないということで体作り・スタミナ強化を頑張った結果選抜大会でやっと念願の優勝できた」

課題を乗り越え進化を遂げた太田選手。
8月10日からSAGAアリーナで開催されたインターハイに挑みました。

【太田彩睦選手】
「優勝することです」

3月に全国優勝したフライ級での試合が実施されないため、約3キロ重いバンタム級での出場です。
1回戦は1ラウンドからリーチの長さを活かして仕掛けます。
3ラウンドまで攻め続けた太田選手は判定5対0で勝利し、2回戦進出を決めました。

【太田彩睦選手】
「とりあえず1勝できてほっとしています」

続く2回戦。
序盤は、相手の圧力に押されたものの後半は果敢に攻め3対2で判定勝利しベスト4入り。
準決勝も突破し、いよいよ決勝戦に臨みます。
決勝戦の相手は宮崎県代表で3月に行われた全国大会の女子バンタム級で優勝した四元志桜里選手。
階級が違うチャンピオン同士の対決です。
試合は、序盤から赤いユニフォームの四元選手が前に出るインファイトスタイルで流れを掴みます。
青の太田選手も鍛えたフィジカルで負けじと得意の右ストレートで応戦。
また、階級を上げるのに合わせ練習してきた下がりながら打つカウンター攻撃も交えます。
それでも四元選手が接近戦に持ち込み、太田選手は、準優勝で大会を終えました。

【太田彩睦選手】
「勝てなくて悔しかったけど、自分が持っている力は全部出したのでやり切ったかなと思います」

【太田彩睦選手】
「初めて階級を上げての挑戦だったので自分がどれだけ通用するのか分からなかったんですけど、決勝の舞台まで立てて良かった」

この悔しさを糧に次の舞台へ。太田選手は前を見据えていました。

【太田彩睦選手】
「次は12月に全日本女子選手権があるのでそれで優勝することです」

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