広島カープは、中日との3連戦(8月2日~4日)に全勝し、今季初の6連勝。ベテランも若鯉も活躍したマツダスタジアムの熱戦を振り返ります。
8月2日(金)広島 vs. 中日(マツダスタジアム)
3連勝で首位に返り咲き、迎えた中日との3連戦。初戦で先発マウンドに上がったのは、今シーズン初登板、投手最年長の35歳、野村祐輔 でした。
去年8月以来、およそ1年ぶりの1軍マウンドでしたが、13年目のベテランは立ち上がりからランナーを出しても落ち着いて後続を打ち取ります。
4回には満塁のピンチを迎えますが、ここも冷静に投げ切り、得点を許しません。
そのまま5回まで投げ、無失点と試合を作ってマウンドを降りた野村。新井監督も「期待どおりのピッチングをしてくれた」と今シーズン初登板を評価しました。
野村祐輔 5回 球数79 被安打6 奪三振4 失点0
その後、6回を2番手・黒原拓未 が、ランナーを出しながらも無失点に抑え、両チーム無得点で我慢の展開となりました。
そのウラ、カープの攻撃は、1アウトから3番・野間峻祥 。レフト線ギリギリに落ちるツーベースヒットで出塁すると、チャンスで勝負強さをみせる4番・小園海斗 。「粘り強く打てた」と変化球に食らいついた打球はライト前へ。先制に成功します。
その後、7回を 塹江敦哉 、8回を 森浦大輔 が無失点でつなぎ、1点差のまま迎えた9回表。前日まで2連投していた 栗林良吏 をベンチからはずした中で代役として指名されたのがハーンでした。
来日初登板から15試合無失点のサウスポーは期待に応え、中日打線を寄せ付けず、三者凡退。カープは3試合続けて1点差の試合をものにし、連勝を4に伸ばしました。(広島 1-0 中日)
広島カープ 黒原拓未 投手
「自分としてはまだまだ経験したことのないことばかりというか、これから初めて経験していくことも多いと思うので、そういう場面・雰囲気を貴重(なもの)にして)次回以降もしっかり投げたいなと思います」
広島カープ 新井貴浩 監督
「彼(野村祐輔投手)にとって今シーズン初登板だったんですけれども、さすがのピッチングでしたね。ランナーを背負いながらも期待どおりのピッチングをしてくれました」
8月3日(土)広島 vs. 中日(マツダスタジアム)
先発は、ここまで7勝を挙げている 森下暢仁 。その立ち上がり、ランナーを出しながらも無失点に抑えると、2回にはヒット性の鋭い打球を 矢野雅哉 が横っ飛びでアウトにするファインプレー。
続く3回には連打で1点を失い、さらにピンチの場面で 菊池涼介 のダイビングキャッチからのダブルプレー。バックの助けもあり、最少失点で乗り切ります。
カープ打線は、5回ウラの攻撃で先頭バッターの 坂倉将吾 がレフト前に運び、出塁すると、さらに菊池の内野安打でこの日初めて得点圏にランナーを進めます。
続く矢野はセーフティーバント。すると中日の先発・大野雄大 が、なんと悪送球。その間に坂倉がホームインし、同点に追いつきます。
さらに1アウト・3塁・2塁でこの日、8番に入る “鯉の二刀流”・森下。前進する二遊間を破る2点タイムリーヒット。森下がバットで自らを援護、勝ち越します。
7回表には “カープ鉄壁の守備陣” が、堅い守りで森下を盛り立てます。
守備でリズムを作ると、そのウラの攻撃。矢野が右中間を破るスリーベースヒットでチャンスを作ると、1番・秋山翔吾 。レフト前にはじき返し、ダメ押しの4点目。中日を突き放します。
先発の森下は、8回を投げ、1失点でマウンドを降ります。
森下暢仁(1安打 2打点) 8回 球数101 被安打7 奪三振8 失点1
最後は前日に休養した守護神・栗林が無失点に抑えて30セーブ目。チームは、連勝を今季最長タイの5に伸ばしました。(広島 4-1 中日)
広島カープ 森下暢仁 投手
「守備の人たちに助けてもらって最少失点で投げることができたので、本当によかったです。今回も床田(寛樹)さんが『打っていいよ』って言っていたので、1本出て、よかったです」
8月4日(日)広島 vs. 中日(マツダスタジアム)
カープは、相手先発の 根尾昂 に対しファーストに 林晃汰 、セカンドに 二俣翔一 、レフトに 中村貴浩 とスタメンに若鯉を積極起用し、本拠地で6連勝を目指します。
カープ打線は初回、ノーアウト・3塁・1塁といきなりチャンスを作ると打席には2000年生まれ、根尾と同世代の3番・中村貴浩。初球をとらえた当たりはピッチャーのグラブをはじき、先制のタイムリー内野安打。
再び3塁・1塁とし、同じく2000年生まれの4番・小園。初球をライト前へ運び、追加点を挙げます。
このあとも坂倉や矢野のヒットなど勢いにのったカープ打線は、この回、一挙5得点。
さらに2回には秋山が、4号ソロホームランを放ち、序盤から中日を突き放します。
大量援護をもらった九里は、5回、1か月ぶりの勝利へ正念場を迎えます。3点差とされ、なおも1アウト・2塁・1塁のピンチ。打席にはここまで2打数2安打と当たっている6番・ディカーソン。変化球で詰まらせると4-6-3のダブルプレー。ここを最少失点で切り抜けた九里は6回を投げ、9安打を許しながら3失点と粘りのピッチング。勝利投手の権利を得て、マウンドを後続に託します。
九里亜蓮 6回 球数86 被安打9 奪三振3 失点3
その後、2点リードで迎えた9回。マウンドに上がるのは、もちろん栗林。最後は守護神が圧巻の三者連続三振でゲームセット。栗林はリーグ単独トップの31セーブ。(広島 6-4 中日)
カープは、今シーズン初の6連勝で貯金も最多の11とし、首位キープです。
◇ ◇ ◇
青山高治 キャスター
ちょっと弾みがつく6連勝というか、なんかいろいろ気になり始める時期でもありますね。
コメンテーター 木村祐之 さん(広島ハートセンター 院長)
ここまで負け続けていた中日に対してここまで勝っていいんだろうかと思うぐらい、うれしいですね。
石田充 アナウンサー
新井貴浩 監督は、このカードが始まる前にうかがうと『全然、中日への苦手意識はありません』と力強く言っていたので…
木村祐之 さん
ほんまですか。
石田充 アナウンサー
数字を気にされない新井さん、その熱い気持ち。堅い守りも含めて見せてくれたなと思います。
青山高治 キャスター
大きい人間というのは数字を気にしないんですよね。
石田充 アナウンサー
あとはオリンピックの季節じゃないですか。土曜日は森下投手から栗林投手への東京オリンピック金メダリストリレーという2人のすばらしいピッチングもあったりして…
田村友里 キャスター
こういういい日に(RCC野球解説者の)天谷宗一郎さん、いないんですね。
石田充 アナウンサー
気づきました。天谷さんがいるときって週末、なんかねえ…っていう日が…
田村友里 キャスター
きょうはいっしょに喜べると思ったのに…
石田充 アナウンサー
きょうは諸事情があって…。6連勝して、あす6日から “勝負の9連戦” ですから、ぜひ、この勢いのまま、巨人・阪神という上位対決を。秋山選手が言っていました。「月曜日、いい形で戻ってきたい』と。その言葉どおり連勝を伸ばしてほしいと思います。
(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)
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