熊本にバレーボール男子のプロチームを作ろうとする動きがあります。立ち上げるのは鎮西高校出身でVリーグで活躍した早瀬省吾さん。なぜ今熊本にプロチームを誕生させるのか、その思いに迫ります。

【早瀬省吾さん】
「今私の夢は男子プロバレーチームを八代から発足しVリーグに参入して6年後には日本一を掲げています」

熊本にプロのバレーボールチームを。そんな夢に向かって八代市で活動する男性がいます。

早瀬省吾さん、八代市出身、鎮西高校1年時にはリベロとして春高全国準優勝に輝くと、その後は身長167センチと小柄ながらエースアタッカーとしても活躍。

法政大学4年時にVリーグの東京ヴェルディに入団しVリーグチームで通算7シーズン活躍しました。

2020年からは北海道のチームで球団スタッフとしてチームの運営にも携わり昨シーズン、V2リーグ優勝を経験しました。
【早瀬省吾さん】
「ホームゲームをやった時のお客さんからのありがとうやまた試合やってねとかきょうはおめでとうとか言ってくれる言葉が一番うれしかった。そういう経験をしたので
あとは自分で作って地元で同じ経験をしたいと改めて思いました」
早瀬さんは今年1月新たなチームの設立へ向け、兄・雄太さんと一般社団法人を設立、ふるさと八代でのチーム立ち上げへ本格的に動き出しました。

チーム名は『熊本Virex』。
勝利のヴィクトリーと王者・レックスが組み合わされています。
【八代バレーボール協会 杉田明会長】
「夢のような話だなと思った。そいう夢を追いかける若い人たちがいて素晴らしい挑戦だなと思う。協会としては大きい協会でもなくお金を持ってる協会でもないができる範囲の協力はしていきたい」

チーム立ち上げと言っても簡単ではありません。

大きなスポンサーがついているわけでもなく早瀬さんは八代の企業を中心に営業活動を行います。

【早瀬省吾さん】
「地元八代が大好きなので地元でプロのバレーボールチームを作りたいと思って
先月16年ぶりに八代に戻ってきて今いろんな方々にご挨拶してる」

【藤永組 古城一久統括管理部長】
「タイミング的にいいですね、今オリンピックで男女とも(県関係選手が代表で出てる)」

熊本ヴィレックスはこの秋からスタートする新リーグ・JVLへ2年後に参入しまずはVリーグで結果を残し2030年にトップリーグ『S・Vリーグ』入りを目指しています。

そのためにも今年までに3000万円、参入までに2億円を確保したい考えです。

決して楽な数字ではないものの八代にとって初のプロスポーツチーム誕生に期待する企業も多くあります。

【藤永組 古城一久統括管理部長】
「楽しみですね。やっぱり出来たら応援したくなりますよね」「特に地元チームなら率先して多分会長のことだから(支援を)やると思う」

【兄・雄太さん】
「ここ絶対(テレビで)流してもらわなん」

6月、早瀬さんは1人大分へと向かっていました。

【早瀬省吾さん】
「(チームは)選手がいて形になるものだと思うので選手がいないと動きづらい」
「プレーはもちろん、人間性で周りに感謝できる選手や皆さんのおかげでプレーできるという気持ちでプレーできる選手を探そうと思う」

資金集めと同時に大事なのが選手の確保。

早瀬さんは今年5月で休部となった大分三好の練習場を訪れまだ移籍先が決まっていない選手と面会しました。

そのうちの一人、セッターの福元浩太郎選手です。

チームの休部とともに引退もよぎりましたがバレーボールへの熱はまだ冷めていませんでした。

【福元浩太郎選手】
「やっぱりバレーボールがしたい。Vリーグじゃなくてもバレーボールに携わりたいなと。バレーボールを通して応援してくれる人に感謝や恩返ししたい」
(熊本で挑戦したい気持ちは?)「挑戦したい気持ちはあります」

早瀬さんは8月3日にトライアウトを実施、ヴィレックス1期生の1回目の選手選考を行う予定で福元選手も参加することが決まりました。

【早瀬省吾さん】
「チームを作ろうとなった時は結構反対もあったし無理だよとか止めた方が良いというマイナスな意見が多かったが自分がやると決めたからにはしっかりやっていこうと決めたので今は前に進むだけ」
(そこまでしてなぜ八代に?)
「私が20代半ばの時に熊本八代に戻ってきてバレーをやろうと思ったが6人制でバレーをやれる環境が無くて地元に戻ってこられなかった。そういう経験を私がしたので自分が作って今の現役の選手たちが戻ってこられるような受け皿になれるような
チームを作ろうと思った」

大好きなふるさとを大好きなバレーで盛り上げたい。

早瀬さんの情熱は周りの人たちを少しづつ巻き込みながら大きなうねりへと繋がっていきそうです。


トライアウトは今度の土曜日八代市のトヨオカ地建アリーナで一般にも公開して午後1時から開かれます。ここで10人ほどの選手を確保し9月からのチーム始動を目指したいということです。監督についても現在人選を進めているということです。

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