パリオリンピック・自転車トラック競技まで残すところあと1カ月あまり。6月27日、日本選手団は静岡のベロドロームを拠点に本番を意識した練習が行われていました。

中野慎詞選手は岩手県花巻市出身の25歳。
最大で7人の選手がトラック6周のタイムを競う「ケイリン」と、4人1組で16周走る「チームパシュート」の日本代表に選ばれました。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「勝つイメージはすごくしているが、そこばかり見過ぎていてもメダルは金だろうが銅だろうが銀だろうが取れないと思うので、しっかり今やれるベストな状態をまず身体を仕上げて、自分の能力を存分に発揮して、力をぶつけるのが一番メダルへの近道」

自転車競技を始めたのは、小学3年生の時に岩手の競輪選手に憧れたのがきっかけでした。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「僕の師匠である佐藤友和選手が僕と同じ(石鳥谷)地区出身の選手で、その選手の走りを見て憧れて、自転車やりたい、競輪選手になるんだ」

中野選手は紫波総合高校で本格的に自転車競技を始め、数々の大会で日本一に輝きました。
その強さの要因として、岩手での冬のトレーニングをあげました。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「冬は一切自転車に乗ることはできない。その中で体幹や下半身を自転車に乗らず強化してきた。岩手の冬のトレーニングが自分を大きく成長させてくれた」

2022年に競輪選手としてデビューすると、ルーキーでは最多となる30連勝を記録し、現在(2024年7月1日時点)はケイリンの世界ランキング5位につけています。

2024年は2月にネーションズカップで2位に入ったほか、3月に開かれた国際大会ジャパントラックカップで優勝しています。

世界大会でも結果を残してきた中野選手ですが、初めて出場するオリンピックには特別な思いがあります。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「小さい時からなぜかオリンピックを見たりして、オリンピックに出たいメダル取りたい、そういう気持ちがあった。憧れだったり夢の舞台だった」

今回「ケイリン」と「チームパシュート」2つの種目に出場する中野選手。
このうち、「ケイリン」は日本生まれの種目で発祥国としてのプライドがあります。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「競輪選手としてやっぱりそこは絶対負けられない気持ちはすごく強い。自分から仕掛けるというのが自分のレーススタイルだし、それをすることでレースを動かせるし、いい自分の着を狙っていけると思うので、それをしっかり貫きたい」

一方「チームパシュート」は高校生以来の出場となります。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「高校もハイレベルでやってきたわけではないので、こういうハイレベルなチームパシュートは初めて。時間は待ってくれないので、やるべきことだったり自分ができる最大限をしっかり発揮しようと思っている」

報道陣に練習が公開された6月27日、中野選手はその「チームパシュート」の練習をしていました。

「チームパシュート」は4人が同時にスタートし、風よけとなる先頭が交代を繰り返しながらスピードを維持し3番目の選手がゴールしたタイムを競います。

短距離に強い中野選手は、最初に先頭を走ってチームを引っ張る役割があります。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「一走として自分が与えられた仕事をしっかりこなすというのが、チームにとって一番できる僕のベスト。最大限他の3人の選手に貢献できればと思う」

子どものころから憧れてきた初めての舞台ですが、中野選手から気負いは感じられません。

自転車トラック日本代表 中野慎詞選手
「4年に1度しか経験できないような素晴らしい舞台だと思うので、存分に大会・レース全て含めて楽しんできたいと思う」

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