福島県会津若松市にある背炙山(せあぶりやま)では、稜線に沿って発電を目的とした風車の増設が計画されている。一方、環境保護の観点から中止を求める動きも出ている。
12月19日に会津若松市の室井市長に手渡されたのは、背炙山での風車の建設中止を求める署名。その数は福島県の内外から6000人を超える。
会津若松市の東部にある背炙山。強い風が吹き風力発電に適した場所で、2015年から8基の風車が稼働している。会津若松市には、4つの事業者が合わせて60基ほどの風車を背炙山に建設する計画を出している。
背炙山周辺には絶滅危惧種の「クマタカ」のほかに、国の天然記念物の「イヌワシ」など希少な鳥類の生息が確認されていて、建設中止の署名を提出した「背炙山風力発電建設中止を求める会」は風車に鳥が衝突するバードストライクの発生や生息環境への影響を指摘する。
また建設計画エリアの近くには土砂災害警戒区域があるため、災害などの発生を懸念している。
背炙山風力発電建設中止を求める会の佐藤紘一さんは「安全性など市独自で調査するぐらい、この建設計画は正しかったのか、もう一回市をあげて検討して欲しい」と話す。
会津若松市では、署名とともに受け取った事業者が進める建設計画に対する意見や質問などについて2025年1月に回答する予定だ。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。