10月19日、「HINO600」シリーズでダカールラリーに参戦を続ける日野自動車のレーシングチーム「日野チームスガワラ」は、神奈川県厚木市の人の森(株)華厳工場の採石場でテスト走行を実施した。年明け早々に開催される「ダカールラリー2025」へ向け、その仕上がりはいかに!?
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
テスト走行と本戦シミュレーション
日野自動車はサウジアラビアで開催された今年の「ダカールラリー2024」で、トラック部門総合6位でフィニッシュ。
来年1月3日〜17日にかけ開催される「ダカールラリー2025」ではさらなる躍進に期待が高まるが、日野チームスガワラは10月19日、次戦に向け参戦車両「HINO600」シリーズ(北米モデル)の国内最終テストを厚木市・人の森(株)華厳工場の採石場で行なった。
華厳工場でのテストは前年に続き今回で2回目で、テスト走行ではアップダウンのあるガレ場とジャンプ台を設けた平地エリアを設定。過酷なルートを走るダカールラリーに近いタフなオフロード環境下で、ドライバー菅原照仁によるHINO600シリーズのテスト走行を行なった。
また、新しく登用したメカニッククルー(日野はダカールに帯同する販売会社メカニック選考会を毎年開催している)を始めとしたアシスタンスチームの習熟を図るため、キャンプ地を想定したテント設営や整備演習も実施。
同演習では、大会でスペアパーツ・整備道具・キャンプ用品などを運搬するサポートトラック、HINO700シリーズZS型(キャブオーバー型の6×4)が持ち込まれ、本番さながら整備機材や道具が限られる環境を模した整備シミュレーションを行なった。
ダカールラリー2025へ向け仕上がりは上々!?
2025年大会参戦車両は、引き続きボネットトラック型のHINO600シリーズをベースに、8.9L・800PSのA09C型エンジンと「アリソン3000」オートマチックトランスミッションを搭載。
前回大会から大きな変更はないものの、マシンの耐久性・信頼性を高める小改良を施しており、エンジン回りの配管経路や部品剛性の見直し、ATのクラッチ板の強化を行なったほか、レギュレーション対応などによるレイアウト変更を実施した。
テスト走行では、本戦に近いタフなコースだけにトラブルもいくつか発生したが、ニューマシンとともに菅原照仁による走りは快調。次戦へ向け手応えを感じさせる走りを見せた。
日野チームの車両は、このあと11月1日にサウジアラビアに向けて船便で出発。チーム合流後は、現地での調整を経てサウジアラビアで12月中旬に開催が予定されている「ジェッダラリー」へ今年もテスト参戦する見込みだ。
ダカールラリー2025で日野チームは、連続34回目となる完走記録とさらなる高みを目指すことになるが、まずはその前哨戦、ジェッダラリーでの走りに注目したい。
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