阪神との首位攻防3連戦―。前日の惜敗で1.5ゲーム差と一歩後退した広島カープですが、23日も全員野球でいい試合を見せました。
せめて3連戦は、勝ち越しで終わらせたい―。カープの先発は、雨天中止の影響で先月25日以来、およそ1か月ぶりの登板となったハッチ。今シーズン、2度目のスタメン出場・石原貴規 とのコンビで来日初勝利を目指します。
1回、前日に2打点を奪われている 大山悠輔 にこの日も先制のタイムリーを許してしまいます。
反撃したいカープ打線は、阪神の先発・西勇輝 を相手になかなか反撃の糸口を見つけられませんでしたが、4回。野間峻祥 が基本どおりのセンター返しで出塁に成功します。
前日にマルチヒットの 菊池涼介 がうまくバットに当て、打球は1・2塁間を破ります。カープはこの日、初の連打でようやくチャンスをつかみます。
打席には、こちらも前日にマルチヒット、得点圏打率4割7分超えの4番・小園海斗 。同点の期待がふくらみましたが、惜しくもセンターフライ。
続くのは、ファースト・スタメンで出場の 坂倉将吾 。大きな当たりでしたが、ライトの 森下翔太 がフェンスギリギリでキャッチ。一気に逆転とはなりません。
先発のハッチは、1回の1失点の後は2つの三者凡退を奪うなど、阪神に追加点を許さず。本人も「全体的によく投げられた」と振り返るナイスピッチングで5イニングを最小失点に抑えます。
ハッチ 5回 球数88 被安打5 奪三振7 失点1
6回、ハッチからマウンドを継いだのは、中﨑翔太 。先頭バッター・ノイジーからヒヤリとする当たりを打たれますが、末包昇大 が188センチ・100キロ超えの巨体を勢いよく前に飛び込ませてアウト。気迫のプレーで阪神に追加点のすきを与えません。
1アウト・1塁で今度は、石原。阪神・渡邉諒 が仕掛けた盗塁をさすがの強肩で阻止します。
さらに小園。頭上を越えるかと思われた打球をジャンピングキャッチ。野手陣がファインプレー連発で阪神の攻撃を切り抜けます。
2点ビハインドの8回、逆転を目指すカープの打席は、この日のチーム初ヒットを放った野間がレフトへヒット。
続くのは、菊池。レフトへの打球をノイジーが後逸…、その間に野間がホームイン。4回と同じ、ベテランコンビの連打で1点を返します。
反撃の勢いは止まりません。ランナー2塁・1塁とチャンスを広げて、ここで一発出れば逆転。出場5試合連続安打中の坂倉でしたが、セカンド頭上を越えそうな打球を阪神のファインプレーに阻まれ、同点タイムリーとはなりません。
あと1点! できれば2点を―。カープ、9回ウラの攻撃。この日、すでにマルチ安打の 矢野雅哉 が、レフトへのヒット。矢野は今シーズン、2度目の猛打賞。自身、シーズン最多タイの22安打目。新井監督も「試合に出るたびに成長してくれている」とうれしさをにじませます。
首位攻防のなんとしても勝ちたい試合―。新井監督は、矢野の代走に 羽月隆太郎 を投入。そして打席には、打率4割の石原。また打った。石原のヒットの間に羽月が俊足を飛ばして3塁へ。新井さい配がずばり的中します。
期待の若鯉たちが作った大チャンスに、満を持して送られるのはもちろん、“この男”・松山竜平 。ここで阪神・岡田彰布 監督も “勝負手” 。前進守備ではなく、ダブルプレー狙いの布陣。
ああ、くやしすぎる。打球はセカンドへ―。2日連続で1点差ゲームを落としたカープ。首位攻防3連戦を1勝2敗と負け越しましたが、去年の日本一チームと最後まで手に汗握る好ゲームを繰り広げました。(広島 1-2 阪神)
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青山高治 キャスター
惜しかったです。
コメンテーター 木村雅俊 さん
(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
惜しかったですね。試合後に新井監督が会見で「紙一重」という言葉を4回使ったんですよ。まさに、どっちに転ぶか…、1点入ってまたという感じだったので、カープサイドから見ると、うまくことが運べば3連勝だってできたと思うぐらい、本当に「紙一重」でした。でも、阪神にそれだけ力が近づいているともとれるので、負けましたけど、今後に楽しみが残る形だったような気がします。
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