昨年の世界陸上ブダペスト・女子やり投で優勝した北口榛花(26、JAL)はパリ五輪イヤーを迎え、トップ選手が集うダイヤモンドリーグ第2戦(4月27日中国・蘇州)にて62m97で優勝と、昨年のファイナルを含めダイヤモンドリーグ7勝目と視界良好だ。活動拠点のチェコから帰国中の世界女王に金メダルへの手応えを聞いた。北口は19日にセイコーゴールデングランプリ陸上2024東京に参戦。メダル争いのライバルとなる海外勢も集結する前哨戦に挑む。
“助走強化”で距離アップへ
オリンピックの金メダルを見据え、取り組んでいたのが助走の強化だ。やり投のスピードとは、助走の事。約30mの距離でトップスピードに乗り、そのエネルギーをやりに乗せることで、飛距離は大きく変わる。オフシーズンは徹底的に走力アップを図った。重りをつけてダッシュを繰り返し、課題の助走スピードを強化してきた。
北口榛花:
やっぱり海外の選手に比べるとスピード感だったりパワーっていうものが劣ってる状態だと思うので、スピードとパワーっていうのを強化するのは今取り組んでることなんですけど、100mだと速さを競うから速ければいいわけじゃないですか。やり投げは投げなきゃいけないので速く走れば、いいもんじゃないんですよ。だから速く走れるようになったからといって速く全力で走ればいいかって言われたらそういうものではないというのを自分ではわかってるので、今は速さを出すっていう作業はある程度できてきたので、今はそのボリュームだったりスピードのコントロールをして、自分の強みである柔らかさだったりそういうものを出せる投擢スタイルを探っている状態です。
進化した世界女王が前哨戦 そしてパリ五輪へ
19日のセイコーゴールデングランプリ陸上はワールドアスレティックスコンチネンタルツアーの最上位、ゴールドランクでポイントも高く、世界の強豪も多く出場する。昨年の世界陸上ブダペスト銀メダリスト、フロル・デニス・ルイス・ウルタド(コロンビア)、銅のマッケンジー・リトル(オーストラリア)が参戦。さらに22年世界陸上オレゴンの金メダリスト・ケルシー・リー・バーバー(オーストラリア)も出場予定で、豪華な顔ぶれとなった。昨年は4位と表彰台に届かなかった北口は今大会で2年ぶりのV奪還を目指す(中止になった2021年を除く、9大会連続出場中、2度の優勝)。前哨戦で助走強化の成果が発揮されるのか、進化した世界女王がパリ五輪へ挑む。
北口:
あんまり大きく出たくないんで、メダルがやっぱり欲しいです。何か持って帰りたいです。どうせパリに行くなら何か持って帰りたいなっていうのがあって、一番いい色が金色だっていうのは知ってるので、金色であればいいなって思います。
北口榛花(きたぐち・はるか)
1998年03月16日生まれ 北海道出身 旭川東高~日本大学~JAL
東京オリンピック(2021年)では57年ぶりの決勝進出。2022世界陸上オレゴンで最終6投目で投てき種目日本女子初のメダルとなる銅メダル。2023年世界陸上ブダペストでは最終6投目に66m73のビッグスローで大逆転し、フィールド種目では日本女子初の金メダルを獲得した。昨季ダイヤモンドリーグでは3度の優勝、ダイヤモンドリーグ・ファイナルでは日本人初の優勝を果たした。パリ五輪代表内定。今季初戦のダイヤモンドリーグ第2戦で優勝。世界女王として自身初の五輪メダルを目指す。息抜きはK-POPと料理系Youtube鑑賞。
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