広島ドラゴンフライズは、チャンピオンシップ初戦で中地区優勝の強敵・三遠ネオフェニックスとアウェイで戦いました。
三遠はシーズンの平均得点が90点近い、89.5点と断トツ。リーグトップの破壊力を誇ります。
一方、広島は失点が73.4点とリーグ3位のディフェンスが武器。レギュラーシーズンでは2連敗した難敵相手に “矛と盾” の勝負、広島は、“盾”(ディフェンス力)で挑みました。
Bリーグチャンピオンシップ2023ー24 クオーターファイナル
三遠ネオフェニックス vs. 広島ドラゴンフライズ
5月11日(土)ゲーム1
敵地、愛知県豊橋市に乗り込んだ広島ドラゴンフライズ。中村拓人 など選手は意気揚々と会場に入りました。
「ここで何度も戦ってきた」という 朝山正悟 ―。
広島ドラゴンフライズ 朝山正悟 選手
「もう、あとはやるだけと思いますので、いい試合ができるようにがんばりたいと思います」
広島ドラゴンフライズ 中村拓人 選手
「持っているものを全てぶつけて、必ず、まずは第一戦、勝ちたいなと思っています」
ファンたち
「勝ちましょう」「勝てそうじゃなく、勝ちましょう」
「埼玉から。広島ファン、絶対勝ちます」
試合前、真剣に対策を練るロッカールーム―。
朝山とともに広島で戦った盟友・大野篤史 ヘッドコーチが率いる三遠との一戦。前半はお互い激しいディフェンスで一進一退の攻防となります。
まずは、山崎稜の3ポイントシュートで最初の得点を挙げます。ドウェイン・エバンスは、序盤から気合いの入った積極的なオフェンスでレイアップを次々と決めてチームを鼓舞し続けます。
しかし、常にリードされる重い展開で5点ビハインドで最終、第4クォーターへ。カイル・ミリング ヘッドコーチが 河田チリジ を起用し続け、3ビッグマン体制を継続すると、その河田がダンクで反撃ののろしを上げます。
エバンスは自らのミスから招いた速攻を気迫のノーファウルで止めると、河田もしっかり追いかけてきてボールキープ。さらに激しいディフェンスからスティールにも成功。すると、山崎が深い位置からディープスリーを決めきって、同点に追いつきます。
しかし、三遠の元日本代表・金丸晃輔 の3ポイントで再びリードを奪われます。ただ、ここで再び河田が活躍。ゴール下をしっかりと守り、スティールでボールを次々と奪います。
このがんばりに応えたのは、まずは ニック・メイヨ 。立て続けにフリースローを獲得するときっちり沈め、勝ち越します。
さらにタッチがよかったという山崎が3ポイントを決めてリードを広げると、三遠自慢の攻撃力を70点台に封じ込めた “盾” の広島がそのまま逃げ切って、みごと初戦を勝利しました。(三遠 70ー77 広島)
ファンたち
― 勝てると思いました?
「思っていました。信じていました」
「あしたも来ます」
「がんばって応援します」
広島ドラゴンフライズ ドウェイン・エバンス 選手
「プレイオフで1勝できるのはとても気持ちがいい。40分間、強い三遠と戦い抜けたのは誇り」
広島ドラゴンフライズ 山崎稜 選手
「空いたら思い切り自分が打てると思ったタイミングで思い切りよく打っていこうというふうに思っていたので。多少距離があっても全然、関係なく打てたので」
ファンたち
「勝ちじゃけえ!」
5月12日(日)ゲーム2
山崎稜 選手
「ゲーム2でなんとしても決めて、次に勝ち進みたいという気持ちです」
ファンたち
「きのう同様、全選手が一丸となって戦ってほしいなと思います」
「朝山さんの引退をもう長く、長く…」
カイル・ミリング ヘッドコーチ
「ぼくらがうまくやって勝ったと誰も思っていない。もう一回、クラブの歴史を作って、みんなに見せつけてやろう」
序盤、この日も好調な山崎が2ポイントシュートで口火を切ると、3ポイントも決めてなんとか離されずに追いかける展開に。第1クォーター終盤には 船生誠也 が2本連続で3ポイントを決めて2点リードします。
第2クォーター、河田のダンクで盛り上がるんですが、互角の攻防のまま2点差で後半へ。第3クォーターに入るとすぐにエバンスの連続得点で一気に7点をリードします。
しかし、相手は中地区王者。ここから三遠が12連続得点。逆転されます。この日も前日と同じく5点差をつけられ、第4クォーターへ。
ここから粘り強い広島が、敵地ながら本領を発揮します。中村の3ポイントで追い上げを図ると、エバンスが攻撃的な守備でボールを奪います。さらにメイヨが素早く切れ込み、同点に追いつきます。
そして、この日も山崎。3本目の3ポイントを決めて逆転に成功します。
さらに、エバンスのこの日、4つ目のブロックショットで相手の攻撃を止めます。
残り20秒、エバンスが難しいレイアップを決めてリードは3点。最後の10秒、必死に守る広島ドラゴンフライズ。そして、運命の時が…
みごとな2連勝。得点力の高い三遠に対し、広島が狙いどおりのロースコアの展開に持ち込み、三遠にとって今季2番目に少ない66点に抑え、クラブ創設以来、初のセミファイナル進出を決めました。(三遠 66ー69 広島)
試合後のロッカールームでは選手たちが興奮冷めやらず、初の進出をたたえ合っていました。
山崎稜 選手
「まさかね、広島が誰もこんなところまで進むと思っていなかったので。ファンのみなさんが応援に来てくださったので、その力が大きかったなと思います」
ファンたち
「うわあ、最高でした」
「いやあ、本当にシビれました。鳥肌が止まらないです」
「うれしいでーす」
「準決勝、みんなで行くぞ!」
― 広島ドラゴンフライズが下克上に成功です。チャンピオンシップ・セミファイナルは今週の土曜日から西地区で今季、初優勝した名古屋ダイヤモンズとアウェイで対戦します。
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