■プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者 井上尚弥ーWBC世界同級1位 L.ネリ(6日、東京ドーム)

スーパーバンタム級王者 井上尚弥(31、大橋ジム)がWBC世界同級1位のL.ネリ(29、メキシコ)と対戦し、6ラウンドTKO勝ちを収めた。井上は8連続KO勝ち。世界戦のKO率は90.9%となった。

東京ドームでボクシングの試合が行われるのは1990年2月のM.タイソン対J.ダグラス以来、約34年ぶりの開催。井上が日本人初のメインイベントを務めた。会場には多くのファンが来場、ギタリスト・布袋寅泰氏(62)の生演奏で入場してきた井上、引き締まった表情を見せた。

1ラウンドからお互いの距離をはかっているとクリンチから井上が離れ際にパンチを放つとネリの左フックが井上の顔面をとらえ、プロ初となるダウンを奪われた。残り1分、井上はディフェンスに徹してダメージを回復した。2ラウンド開始、井上は大きく息吐き、気合を入れて飛び出すと、ネリのボディーに集中、ネリが飛び込んできたところに左フックを合せ、ダウンを奪った。

お互いダウンを1度ずつ奪い合った3ラウンド、井上が距離感をつかみ始め、パンチがネリの顔面を捉え始めた。4ラウンド、2分過ぎには井上がネリを挑発するとすかさず右ストレート打つトリッキーなパンチも見せた。

5ラウンドに入ると井上の右のジャブ3連発でネリがふらつくと、残り30秒、インファイトから左フックで井上がネリから2度目のダウンを奪った。

6ラウンドの1分過ぎには6連打でネリの動きが止まると、最後は右ストレートでTKO勝ちを収めた。インタビューでは「凄くプレッシャーがあったんだけど皆さんの力がパワーになった」と多くの観客に感謝を述べた。

そして、1ラウンド目のプロ初となるダウンには「1ラウンド目のサプライズ、たまにはいかがでしょうか」と笑顔を見せた。さらにダウンのあと、セコンドからの言葉はの質問に「覚えてない、必死だった(笑)ダウンした瞬間の事なんて覚えてないですよ。勘弁してくださいよ」と終始、笑顔を見せてくれた。

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