石田充 アナウンサー
RCCスポーツ部に眠っている広島カープ公式戦のスコアブックです。開いているのが、2004年10月3日、RCC野球解説者の 天谷宗一郎 さんが初ヒットを打った試合のものです。

このへんに「天谷 プロ初ヒット」って書いてあります。

田村友里 キャスター
残っているんですね。

青山高治 キャスター
20年前のものですね。

石田充 アナウンサー
このようにいろんな選手の歴史的なものが刻まれていて、最近でいうと 二俣翔一 選手がプロ初ホームランを打って、専門的な書き方ですが “ダイヤモンドの四角” で、それが記されています。

このスコアブックは1970年代からあります。25年前のスコアブックを紐解きながら当時の歴史的な出来事を振り返りたいと思います。1999年、田村さんが3歳のころ、何があったかといいますと、新井貴浩 監督が選手としてデビューした年になるんです。

新井貴浩 初ヒット(1999年・広島市民球場)

実況 道盛浩 アナウンサー(当時35)
「バッターボックスにはピンチヒッターの新井が登場しています。2アウト・ランナー1塁。第2球目、打ちました。1・2塁間を破っていきました。ライト前ヒット。ファーストランナーは2塁を回って3塁に向かう。ボールは今、ライトから内野に返ってくる。足から滑り込んでタッチはできない。ピンチヒッターの新井がヒットを放っています。新井、プロ初ヒット。ルーキーの新井…」

石田充 アナウンサー
ここで問題です。

Q. ルーキーイヤーに新井さんが記録した順番は? 初ヒット 初三振 初盗塁

田村友里 キャスター
ええー?

青山高治 キャスター
「K→S→H」。スコアブック用で書きました。三振、盗塁、ヒットの順?

田村友里 キャスター
「初ヒット→初盗塁→初三振」。わたしはいきなり打ったんじゃないかなと。初ヒットがあって、盗塁をして、三振はなかなかなかったんじゃないかと。

石田充 アナウンサー
なるほど、考えましたね。では、“スコアブックが語るヒストリー” です。

1999年、巨人戦の終盤にピンチヒッター・新井さんは「プロ入り初ヒット」。“9” というのはライトなんです。「ライト前ヒット」だったと記されたのが、5月12日のことでした。

では、初三振や初盗塁はいつだったのか、当時のラジオの実況音声を交えて答え合わせです。

新井貴浩 初盗塁(1999年4月4日・ナゴヤドーム)

実況 長谷川努 アナウンサー(当時33)
「セットに入った。次の球、投げた。(代打・新井)打ちました。ショートゴロになった。ショート、捕る。セカンドに送ってアウト…、あーっとセカンド転んだ。またゲッツー取れない。2アウト・ランナー3塁・1塁になりました…」

「続くバッターは、ラストバッターのキャッチャー・瀬戸。セットに入りました。1塁ランナー、スタート。1球目投げた。キャッチャーは投げることができません。滑り込んでいきました。盗塁が記録されました。盗塁成功。ルーキー・新井がすかさず走っていきました」

青山高治 アナウンサー
これが4月…

石田充 アナウンサー
1999年4月4日、開幕3戦目で新井さん、走っています。

田村友里 キャスター
なるほど。

石田充 アナウンサー
ということで、最初に記録したのは初盗塁だったんです。しかもピッチャーは、中日・岩瀬仁紀 投手。ともにのちに名球会に入る2人でした。

では、三振はいつだったのか…

新井貴浩 初三振(1999年4月11日・広島市民球場)

実況 青山高治 アナウンサー(当時27)
「2球目、投げました。変化球が決まった。ツーナッシング。バッターボックスには広島カープのルーキー・新井貴浩 が入っています。右のバッターボックス、背番号25。ツーナッシングと追い込まれています。次は投球、3つ目。投げました。空振り、ハーフスイング。バットはどうだ? バットを止めようとしたんですが、バット回りました。ピンチヒッターの新井が三振に倒れて、1アウト、ランナーありません」

青山高治 キャスター
いやあ、声が高かったですね。しかも、「プロ初三振」とか言っていなかったですね(笑)

石田充 アナウンサー
なかなか言えないですけれども…

青山高治 キャスター
そうか。「初三振」はあんまり言わないですよね、実況で。

石田充 アナウンサー
答えの順番は、初盗塁(4月4日)→初三振(4月11日)→初ヒット(5月12日)でした。

田村友里 キャスター
そうなんだ。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
意外な順番でしたね。

石田充 アナウンサー
最近はインターネットでも調べることができるんですけれど、1999年はもうスコアブックからしか調べることができなかったです。しっかり残っていました。

1999年、25年前に初ヒットなどを記録した新井さんなんですが、それから時間が経って阪神移籍もありましたが、今から8年前、2016年にこんな出来事もありました。

新井貴浩 2000本安打(2016年4月26日・神宮球場)

実況 坂上俊次 アナウンサー(当時40)
「もちろん、待っているのは2000本の瞬間。2000本目の打球は…、落ちた! 新井貴浩、2000本安打達成、47人目!」

石田充 アナウンサー
ということが、2016年4月にありました。ここで問題です。

Q. 新井さん 2000本安打の日に起きた出来事は? 3者連続ホームラン 鈴木誠也&エルドレッド 1試合2ホームラン 2001安打

田村友里 キャスター
ええー? 2001安打?

石田充 アナウンサー
答えは…。まだ、新井さんが2000安打達成する前の2回ですが、エルドレッドがホームラン。そして、鈴木誠也 が次のバッターでホームラン。その流れの中で次のバッターの 堂林翔太 がホームランということで、「3者連続ホームラン」!

田村友里 キャスター
へえー!

石田充 アナウンサー
…だけでなく、新井さん、2000安打の後、7回に「2001安打」を打ちました。そして、7回には 鈴木誠也 選手が満塁ホームラン。この日、2本目!

田村友里 キャスター
(笑)

天谷宗一郎 さん
まさか(笑)

石田充 アナウンサー
そして終盤、9回にはエルドレッドがバックスクリーンにこの日、2本目!ということで、どえらい試合でした。

田村友里 キャスター
すごい打っている。

石田充 アナウンサー
…という “全部のせ” だったんです。この日のスコアブックです。ホームランが多いと、真っ赤になるんです。3者連続ホームランが序盤にありました。新井さんは、この回に2000安打したと記されています。

田村友里 キャスター
この試合に行ったお客さん、すごくテンション上がりますよね。

石田充 アナウンサー
歴史的なことがあったというのが、今から8年前の4月26日ということなんです。

天谷宗一郎 さん
新井さんが2000本安打にリーチがかかった試合でしたよね。そんな節目に負けていられないっていう後輩の思いが出ていました。

石田充 アナウンサー
1999年、今から25年前にデビューした新井さんが、こういった2000安打も達成し、今は監督として指揮を執っています。いろんな歴史をこのコーナーで天谷さんとともに学んでいこうと思います。

(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)

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