■パラ水泳 ジャパンパラ競技大会2日目(4日、横浜国際プール)

パラ水泳のジャパンパラ競技大会2日目。パリパラリンピックの代表に内定している日向楓(18、中央大学)が、男子100m自由形(運動機能障がいS5)決勝に臨み、1分18秒11の日本新記録で優勝した。

予選で同じ障がいクラスの田中映伍(19、東洋大学)に日本記録を更新され、悔しかったという日向。決勝までの間に予選のレース映像を見返し、修正点をコーチと確認。日向は、前半から行けるところまで飛ばしていくというレースプランで決勝に挑んだ。

決勝では、言葉通りスタートから飛ばした日向が、田中を終始圧倒する泳ぎで50mを先にターン。そのまま逃げ切り、田中が予選で出した日本記録を1秒43更新して優勝を果たした。日向は「レースが終わって電光掲示板を見た時はうれしすぎた。予選で田中選手が日本記録を更新してくれたおかげで僕も気持ちが入った」と喜びを爆発させた。

また、オリパラ二刀流スイマーとして挑戦を続ける石原愛依(22、auFG)は200m個人メドレーに出場し、2分18秒50の大会新記録で優勝した。パラリンピックは国際クラス分けの関係で出場が厳しい状況にあり、パリ五輪出場を目指し挑んだ3月の代表選考会では、準決勝で敗退し五輪への道は絶たれた。それでも石原は「最初はすごく落ち込んでいたが、自分でもびっくりするくらい早く、4年後のロスオリンピックに向けて気持ちを切り替えられた」と話した。これからもオリパラ二刀流としてロスを目指すという石原は「4年間、死ぬ気で頑張りたい」と強い決意を口にした。

■日向楓(ひなた・かえで)
2005年8月24日、神奈川県横浜市出身の18歳。生まれつき両腕が無く、水泳は兄の影響で小学1年生の時に始める。柔軟性と体幹の強さを生かした泳ぎが特徴で、強いキック力が持ち味。21年東京パラリンピック、50mバタフライで7位入賞。22年世界選手権、50mバタフライ2位、50m背泳ぎ3位。

*写真は日向楓選手

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。