パラリンピック水泳の日本代表が、8月28日に開幕するパリパラリンピックに向けて東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで行っている合宿を30日に公開した。代表に内定している全22選手が参加し、終始和気藹々とした雰囲気で練習が行われた。

代表内定選手が全員集まるという滅多にない大規模な合宿について、キャプテンを務める齋藤元希(25)は「知的障がいの選手と身体障がいの選手ではあまり合同で練習する事は少ないので、そういった面ではすごくチームとしていい雰囲気作りができるきっかけになったと思う」と話すなど充実感を口にした。 

練習前にはチームビルディングの一環として、同じパラ競技のボッチャをプレーする場面も。視覚障がいのある選手がボールを投げる際には、ほかの選手が的の位置を声で伝えたり、手を鳴らすなどの方法でアシスト。通常のボッチャ競技では見られない場面もあり、選手たちも普段と異なる競技の体験に笑顔を見せていた。

プールサイドでボッチャを行う選手たち。視覚障害の選手には声で場所を伝える。

今日の練習について、東京パラリンピックで金メダルを獲得し、連覇に期待のかかる木村敬一(33)は「ひとりひとりがそれぞれのキャラを出しつつ、明るく盛り上がっているような感じがします」とチームとしての手応えを語った。

東京パラリンピックで金メダルを獲得、連覇に期待のかかる木村敬一が笑顔で取材に応じた
練習に励む木村

パリパラリンピックまで残り120日に迫り、調整も大詰めだ。2004年のアテネパラリンピックから6大会連続の出場となる最年長37歳の鈴木孝幸は「まずは自分がしっかりとメダルを目指して獲るという姿を見せることで、チームにいい影響があればいいなと思う」と自身だけでなくパラ水泳チーム全体への思いを口にした。また、今回初選出となった福田果音は「自分は初めてのパラリンピックの舞台なので、会場の雰囲気だったりを肌で感じたいという思いが強い。緊張や勝ちたいという気持ちよりも、楽しみたいという気持ちが大きい」と意気込みを語った。

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