全国男子駅伝で史上最多の19回の出場を誇る中国電力の岡本直己選手(40)が、来年1月下旬のレースで引退することがわかりました。

明治大学から2007年に中国電力へ入社した岡本選手は、スピードに長けたランナーとして20代の頃から全国トップレベルの成績を残し、若きエースとしてチームを支えてきました。30代になってからはマラソンでのオリンピック出場を目標にスピードとスタミナの両立に励み、2021年の東京、今年のパリといった大舞台に出ることをモチベーションのひとつにして競技を継続。岡本選手は「マラソンの元世界記録保持者で東京五輪金メダリストのキプチョゲ(ケニア)は同い年。だから自分もまだタイムを伸ばせるはず」と常にポジティブな要素をみつけ、衰えるどころか、37歳でマラソンの自己ベストを更新(22年びわ湖毎日マラソン・2時間8分4秒)。元祖・山の神こと今井正人ら同級生ランナーが先に引退する中、40歳まで現役を続けてきました。

また1月に開催される全国男子駅伝には中学時代から故郷である「鳥取」や、中国電力がある「広島」のメンバーとしてこれまで計19回と史上最多の出場を果たしています。この大会では、通算で100人を超えるランナーを追い抜いており「ミスターごぼう抜き」として安芸路を沸かせてきました。ただ今年に入り右ひざの故障に悩まされると若手の台頭もあり先月の中国実業団駅伝(世羅町)はメンバー外となっていました。

RCCの取材に対し岡本選手は「これ以上の競技力向上が望めない」と引退の理由を語りました。それでも元日に群馬で開催されるニューイヤー駅伝にむけては「練習は積めている。若手とのチーム内競争に勝つ事が前提だが、出るための準備を尽くす」と意気込みを口にしました。

プライベートではこの1月に第1子が誕生。「近年はどの試合も引退レースかも…と思ってやってきた中で、自分のためだけではなく、応援してくれる人と、家族のために」と、自らを奮い立たせてきました。レースに出るときのモットーは『前半飛ばして、中盤飛ばして、ラストも飛ばす!』。10代の頃から世代のトップランナーとして全国を舞台に常に走ってきた男。その”ラストの飛ばす走り”が注目されます。

最後のレースは来年1月26日(日)の大阪ハーフマラソンで、引退後は競技から離れ社業に専念する予定です。

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