いよいよ3日後に迫ったNAHAマラソンに、病と闘いながら挑む男性がいます。
東村出身の宮城武斗さん。NAHAマラソンへの挑戦は今年で6回目です。「走ることが好き」。ただその一心で毎日欠かさず練習しています。
過去に市郡対抗沖縄一周駅伝大会で区間新記録をたたき出し、尚巴志ハーフマラソンでは準優勝経験のある実力選手です。2019年の第35回NAHAマラソンでは、見事、6位入賞を果たしました。
▽宮城武斗さん
「リラックスできていた。素に近い状態で走れていて。レースは30キロ越えるときつくなると言われるんですけど、僕はむしろ30キロ越えてからが楽しくて。もうレースがあと少しで終わるのかな、と(思いながらゴールした)」
しかしこの入賞から3か月。宮城さんは、家事をするだけでもすぐに息が上がってしまうなどの症状に苦しめられ、1日を寝て過ごすことが当たり前になりました。血液検査の結果、下った診断は「甲状腺機能亢進症 ― バセドウ病」でした。
甲状腺のホルモンが過剰に作られ、全身の臓器に負担がかかるバセドウ病。
医者には、体力の消耗が人より激しく疲れやすくなるため、普通に生活することさえ難しいと告げられました。
▽宮城武斗さん
「なぜこうなったんだろうと思ったのと、自分が今病気なんだという現実を受け入れられない状況でしたね。順調に回復しても以前のような走りはもうできないと思ったほうがいい、って言われたので。その瞬間にもしかしたら自分の競技人生は終わっちゃったのかなって」
投薬治療開始から5か月で、身の回りのことや、大好きな「ランニング」も再開できるように。それでも…
▽宮城武斗さん
「体の感覚的に、これぐらい動かせるだろうという自分の中のイメージがあまりにも強すぎて。この動き方と自分の体の認識のギャップが凄すぎて、走り始めはそれが苦しかったですね」
練習の強度を下げているはずなのに、感覚のすり合わせができないもどかしさ。
代謝が上がりすぎて、1か月で体重が6キロ落ちたこともありました。そんなつらい闘病生活を1番近くで支えてくれたのが、競技者であり、交際している愛美さんでした。
充実した練習ができるまでに回復
▽交際相手・崎山愛美さん
「食事面や、ちょっとしたマッサージとか。本人は追い込むタイプなので、側から見ていてきつそうだからブレーキかけたら?とか、今日は休憩の日じゃない?とか言いながら」
投薬から4年。愛美さんのサポートを受けながら順調に回復しています。
そして、この日の午後は… 月に1度、高校時代の同期ランナーとの練習日!相手は2022年のNAHAマラソン優勝者、宮城響選手です。
「40分ジョグから60分ジョグで、5分台から徐々に上げていって状態確認する感じで。OK!」
響選手とは名護高駅伝部でも一緒に練習、今も互いの近況報告がてら、ランニングをする仲。よきライバル・仲間に刺激をもらっています。
▽高校の同期・宮城響さん
「マラソン競技という過酷なスポーツに向き合う姿というのは僕だけじゃなくて、多分いろんな人に影響与えると思います」
▽宮城武斗さん
「2~3年かかってもいいので、表彰台の一番上、NAHAマラソンで誰よりもはやくゴールできるようにというのを掲げて、まず今年は一桁(9位以内)を狙って走れたら」
▽交際相手・崎山愛美さん
「一番は楽しんで走ってもらいたい。最近はすごく生き生きとしていて、見ているこっちも嬉しいので、怪我なく無事に走り切ってほしいと思います」
「走ることが好き」その一心で走り続ける武斗さん。NAHAマラソン初挑戦の愛美さんに、たくさんの人に支えられ、NAHAマラソンに臨みます。(取材 三原楓花)
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