2025年3月に開幕する春の甲子園、選抜高校野球。
秋の中国大会で躍動した島根県の大田高校が、21世紀枠の県の推薦校に選ばれました。前回の出場から37年遠ざかっている甲子園へ一歩前進。わずかな部員数でチャンスをつかみました。

高校野球、秋の中国大会。この大会の最大のキーワードは「春の甲子園」。
2025年3月に開幕するセンバツ高校野球は、秋の地区大会の結果をもとに出場校が選ばれます。

1回戦は山陰勢同士の顔合わせ。
鳥取王者の境高校をコールドで破りベスト8に輝いた大田高校。

春のセンバツの出場枠のひとつ「21世紀枠」、島根県の推薦校に、大田高校が選出されました。大会での成績に加え「文武両道」「困難克服」「地域貢献」。これらが評価された学校に出場権が与えられるのが「21世紀枠」です。
わずか11人の部員で残した好成績。

大田高校野球部・安井熙一主将:
「全員が1球に対して、集中できるようなチームを作ってきました」

21世紀枠で出場できるのは、各都道府県の推薦校のうち、わずか2校。
部員不足を乗り越え、夢の甲子園へ…。

創部は昭和5年・1930年。春夏あわせて6度の甲子園出場を誇ります。
しかし、最後に甲子園の土を踏んだのは1987年の春。
夢の舞台から37年遠ざかっていました。

3年生が引退した7月、新チームが発足。

大田高校野球部・桑原健二監督:
「秋の大会で、この11人で結果を出したいという思いをとても強く感じながらスタートしたのは、よく覚えています」

選手は、2年生6人、1年生5人の計11人。
秋の中国大会に出場した16校の中で、最も少ない部員数でした。
野球では最低9人が必要ですが、大田はまさにギリギリ。
4人のマネージャーが選手たちをサポートし、レベルアップを図ってきました。

大田高校野球部・桑原健二監督:
「実践的な練習はできない。練習試合を通じて実戦形式を踏むよ。かなり多く積みました。1週間で1日おきに練習試合という組み方を、特に7月終わりから8月当初にしたので、超ハードなチーム作りのスタートでした」

秋の中国大会は、7試合のうち3試合が無失点。
島根勢では唯一で、初戦の境戦も1失点でした。

全試合で先発マウンドに立ったエース・生越類人投手。

大田高校野球部・生越類人投手:
「人数関係なく、強い気持ちを持って投げることを意識していました」

生越投手にとってこの秋は、雪辱の舞台でした。

大田高校野球部・生越類人投手:
「大量に点取られて、でもマウンドは降りたくない気持ちはあったんですけど。
とても悔しかったです」

1年前の秋。1年生ながら、エースとしてマウンドに立った生越投手。
大量失点で、涙の降板。

大田高校野球部・生越類人投手:
「負けがあったから、この秋、自分のピッチングが良い方向につながったのかなと思います。もし甲子園が決まったら、甲子園で結果を残すために、この冬、自分のピッチングがさらにレベルアップできるように頑張りたいと思います」

1次選考にあたる県推薦を勝ち取った大田高校。
12月13日の2次選考では、中国地区の5校から1校に。
これも突破すれば、2025年1月の最終選考へ。全国9地区から2校が決まります。

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