13日に開幕する世界野球プレミア12(第3回WBSCプレミア12)へ向け、侍ジャパンは宮崎合宿(SOKKENスタジアム)で初実戦となる広島との練習試合を行った。井端弘和(49)監督が変則の試合形式で試みたのが二度の代走機会にいずれも、初召集の五十幡亮汰(25、日本ハム)を起用した事だった。
二度の代走・五十幡がいずれも本塁へ生還
7回裏、2番・坂倉将吾(26、広島)が四球で出塁すると代走に送られた五十幡が盗塁を決め、チャンスを拡げた。続く、3番・辰己涼介(27、楽天)がセンターへの適時三塁打を放ち、追加点を奪った形だ。
さらに8回以降は延長タイブレークを想定して無死一、二塁からスタート。侍ジャパンの一塁走者は佐藤都志也(26、ロッテ)、二塁走者は紅林弘太郎(22、オリックス)。古賀悠斗(25、西武)がバントを試みるも送ることが出来ず、1死一、二塁に。ここで二塁走者に五十幡を送ると続く8番・清宮幸太郎(25、日本ハム)は投ゴロ。走者を進め二、三塁となり9番・森下翔太(24、阪神)の遊安打の間に、五十幡が生還し、1点を奪った。
“仕掛けられる”が強み「いってほしい」指揮官
いずれも緊迫した場面を想定した中での代走起用であり、指揮官もその狙いを明かした。
Q:五十幡選手に期待する役割は
井端弘和:
やっぱり、そこで(代走で)出すという事はね、間違いなく接戦で“いってほしい”時だと思いますので、仕掛けていって欲しいなと思いますね。
特に外国人とかは、初球・二球目ぐらいは、クイック(投球を)しても緩む時がありますのでね。そこはね、チャンスがあったら狙っていってほしいなと思います。
Q:今日のように一つでも前の塁最後は本塁入ってきてほしいというところが役割に?
井端:
そうですね彼(五十幡を)出した時はやっぱり“いってほしい”ですね。
Q:シーズン成績を見ると盗塁成功も多いけど、失敗もある…
井端:
一番はね、あそこ行って走らない事というのが一番アレなんで…彼はね、“仕掛けられる”という所は強みかなと思ってます。まずは“いってほしい”な、と思います。
プレッシャーを「かいくぐって」流れをかえる
指揮官からの期待に五十幡も前向きに返答する。
五十幡亮汰:
自分のアウトかセーフで流れが変わったりとか、本当に試合を勝敗を分けるようなゲームっていうのも、今シーズン自チームで味わってきました。
そういった所の大切さっていうのも自覚してるので、そこを何とかプレッシャーはかかると思いますけど、かいくぐって行けたらなという風に思います…プレイボールから自分も試合出てるつもりでベンチに入ってしっかり観察しながら、徐々に徐々に気持ちを高めて準備していけたらなというふうに思ってます。
中学3年生時、サニブラウンに競り勝つ
五十幡の走りの凄さは中学時代から片鱗があった。中学校時代は野球の活動と一緒に陸上部に所属していた。2011年、中学1年時はジュニア五輪で100m2位に。中学3年時には、いまや日本短距離界のエースとなったサニブラウン アブデル ハキーム(25、東レ)に競り勝ち、100m10秒92で全国1位となった実績がある。
スピードスター・五十幡の源流は中学時代の陸上部
Q:元々野球はやってて陸上は中学校から?
五十幡:
陸上は中学校3年間だけで、クラブチームの中一から中三で部活で何入ろうかな、という時に陸上部でしたね。
Q:そこで今、野球に生かされてる部分はある?
五十幡:
やっぱり、走る基本、そういった所をすごく学べました。やっぱりいろいろ、陸上であるメニューと野球でやるメニューまた全然違うので、それが何かお互いにどっちもどっちでいいのをなんかいい感じのものを体感であったりとか引き出せて、引き出し合ってるなっていう風に感じてた。例えば200mのターンのベースランニングに繋がったりとか、ベースランニングが逆に200mのターンのように、であったりとか、そういった所も細かい所ですけど何か繋がってるんじゃないかなっていう風に自分で思ってたんで、そこは楽しみながらやってました。
いよいよ世界野球プレミア12 “快速”世界デビューへ
Q:これまでの国際大会、WBCや世界野球でやっぱり足で点を取る部分がある…
五十幡:
どの大会でも、走塁に関して一つ、印象に残る場面っていうのはどの大会でも結構あると思うので自分もそういった印象に残るような走塁が出来たらなって思ってますし、何より本当にチームの勝利に貢献できるように頑張りたいっていう気持ちが強いですね。
Q:もう1週間ちょっとで始まる
五十幡:
本当に始まってみないとわからない所もすごく多いと思うんですけどやっぱり、なんていうか準備というか、その気持ちの準備であったりとか、試合でのもちろん試合始まってから準備であったりとか、そういった所を大切に、あとは結果はやっぱり、付いて来るものだと思うので、あとは本当に自信持って準備をしっかりしてやっていきたいなというふうに思います。
Q:本戦でやっぱり1本走る(盗塁を決める)までは緊張する?
五十幡:
1本、本番前に走っとくのは違いますし、やっぱり、本番でも走りたい気持ちはもちろん強いので、1本走りたい。まずは走りたいっていう気持ちは強いですけど、でも走っても緊張はすると思うんで、毎回、毎回しっかり、気持ちを落ち着かせながら自分にプレッシャー掛けながらやっていきたいなという風に思います。
■五十幡亮汰(いそばた・りょうた)
外野手 右投左打
1998年11月27日生 埼玉県出身 佐野日大高~中央大~日本ハム(20年ドラフト2位)
【侍ジャパンシリーズ(強化試合)日程】
11月9日(土) 日本 対 チェコ @バンテリンドーム ナゴヤ
11月10日(日) 日本 対 チェコ @バンテリンドーム ナゴヤ
【世界野球プレミア12 日本の試合日程(グループB)】
11月13日(水) 日本 対 オーストラリア @バンテリンドーム ナゴヤ
11月15日(金) 韓国 対 日本 @台北ドーム
11月16日(土) 日本 対 台湾 @台北ドーム
11月17日(日) キューバ 対 日本 @天母スタジアム
11月18日(月) 日本 対 ドミニカ共和国 @天母スタジアム
【グループA】
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
※各組上位2チームの4チームが進出するスーパーラウンド(同21~23日)と、決勝及び3位決定戦(同24日)は東京ドームで開催される。
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