■MLB ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース 6ー7 ドジャース(日本時間31日 ニューヨーク、ヤンキースタジアム)
ドジャースが2020年以来、4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇を果たした。3勝1敗で迎えた第5戦は、最大5点ビハインドをひっくり返して大逆転勝利。
大谷翔平(30)は“1番・DH”でスタメン出場。4打数無安打、チームは5点差のビハインドを5回に追いつくと、8回には2本の犠牲フライで逆転、集中力を見せてワールドシリーズ制覇を達成した。
前日30日に大谷はワールドシリーズ第1戦以来、13打席ぶりのヒットを放ったが投手陣が踏ん張れず11失点で敗戦、対戦成績を3勝1敗とした。第5戦の始球式にはヤンキースがワールドシリーズ制覇を果たした2009年シリーズMVP・松井秀喜氏(50)が登場、ニューヨークのファンもレジェンドの登場に大歓声をあげた。松井は始球式を終えてベンチに戻ると、ヤンキースナインに向けて“頑張れ”とエールを送った。
盛り上がるヤンキースタジアムは先発のG.コール(34)がマウンドに上がるとさらに大歓声、完全アウェイの中、大谷は笑顔を見せてベンチを出ると打席に向かった。大ブーイングの中、注目の1回、第1打席、1球目のストレートを狙ったがセンターフライ。左肩の違和感を感じさせず、力強いスイングを見せた。
ヤンキースは1回、1死一塁で3番・A.ジャッジ(32)、1球目のストレートを完璧にとらえて、右中間スタンドへワールドシリーズ初アーチ、眠れる怪物がついに目覚めた。ヤンキースタジアムは1回から最高潮となった。大歓声が鳴りやまない中、4番・J.チザムJr(26)もストレートをすくい上げてライトスタンドへ2者連続となるホームラン。ベンチではジャッジと笑顔で抱き合った。
さらにヤンキースは2回、先頭打者の7番・A.ボルピー(23)、前日、逆転満塁ホームランを放った若手がこの試合も好調、レフト線へのツーベースでチャンスを作ると、9番・A.バーデューゴ(28)がライト前へタイムリー、ヤンキースが4対0とリード。ドジャース先発のJ.フラハティ(29)はわずか1回1/3で降板となった。
反撃したドジャースだがヤンキース先発、コールが立ちはだかり走者を出すことができない。3回2死から9番・G.ラックス(26)が四球で初出塁すると、大谷の第2打席、ひと振りで流れを変えたいところ。
1球目、外角高め154キロのストレートをフルスイングでファウル、2球目はチェンジアップに空振り、2ストライクと追い込まれると、3球目は外角低めに逃げいてくチェンジアップを当てるだけのバッティングとなり、レフトフライに打ち取られた。
するとヤンキースがその裏、5番・G.スタントン(34)に豪快なひと振り、ライトスタンドへポストシーズン7号となるソロアーチ、ヤンキースは“3・4・5番”にホームランが生まれて5対0と大きくリードを広げた。
ドジャースは4回、無死一塁で3番・F.フリーマン(35)、左中間へ大きな飛球を放つが、センター・ジャッジがフェンスに激突しながらジャンピングキャッチ、無表情で投げ続けるコールもこのプレーには大きく両手をあげて喜びを表した。
しかし、5回、ドジャースは無死一塁で7番・T.エドマン(29)がセンターライナー、この打球をジャッジがグラブで弾くエラー、続く8番・W.スミス(29)ショートゴロをボルピーがフィルダースチョイス。1死満塁で大谷の第3打席、1球目から積極的に振っていったがアジャストできず、カウント1-2と追い込まれると、最後はこの試合、大谷に対して初めて投げるナックルカーブで空振り三振に打ち取られた。
2死と追い込まれたドジャースだったが、2番・ベッツがファースト内野安打で1点を返すと、続く3番・フリーマンがセンター前へ2点タイムリー、さらに4番・T.ヘルナンデス(32)が左中間へ2点タイムリーツーベースと一気に5得点をあげて試合を振り出しに戻した。
ドジャースは6回、6人目、B.グラテロル(26)が3番・J.ソト(26)、4番・ジャッジに連続四球などで1死一、三塁のピンチを招くと、5番・スタントンがセンターへ犠牲フライ、無安打で勝ち越し点を奪われてしまった。
5対6と1点を追うドジャースは7回、先頭で迎えた大谷の第4打席、球数が100球近くなったコールと4度目の対戦、カウント1-1からナックルカーブをセンターへ弾き返したが、シフトを組んでいたショート・ボルピーにキャッチされヒットとはいかなかった。
ドジャースは8回、ヤンキース3人目、T.ケインリー(35)を捕まえて、連打と四球で無死満塁の大チャンス、ヤンキースは守護神のL.ウィーバー(31)を投入。ドジャースは9番・ラックスがセンターへ犠牲フライを放ち、6対6の同点。そして、1死一、三塁で大谷の第5打席、1球目のチェンジアップを振っていったがファウル、しかし、これがキャッチャーのミットに当たっていて打撃妨害で大谷は1塁へ、再び1死満塁で2番・ベッツがセンターへ犠牲フライで7対6。一時は5点差あったビハインドを追いつき、ついに勝ち越した。
8回、ドジャース7人目、6回途中からマウンドに上がったB.トライネン(36)が2死一、二塁のピンチを招いたが、6番・A.リゾー(35)を空振り三振に打ち取り、ベンチのD.ロバーツ監督(52)は大絶叫、トライネンはベンチに戻っても大興奮でナインとハイタッチした。
チームも最高のムードとなった最終回、第3戦目に先発したW.ビューラー(30)がマウンドへ、しっかり抑えて、ドジャースが2020年以来、4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇となった。
今年のWSはア・リーグを制したヤンキースと43年ぶりに激突。ド軍は開幕から3連勝を飾ると、第4戦では11失点で大敗も、第5戦で快勝し2020年(コロナ感染拡大による短縮シーズン)以来4年ぶり、フルシーズンとしては1988年以来36年ぶりの頂点に立った。
【ドジャースWS制覇の歴史】※達成場所
1)1955年 vsヤンキース(4勝3敗)※ニューヨーク
2)1959年 vsホワイトソックス(4勝2敗)※シカゴ
3)1963年 vsヤンキース(4勝0敗)※ロサンゼルス
4)1965年 vsツインズ(4勝3敗)※ミネソタ
5)1981年 vsヤンキース(4勝2敗)※ニューヨーク
6)1988年 vsアスレチックス(4勝1敗)※オークランド
7)2020年 vsレイズ(4勝2敗)※テキサス(コロナ感染拡大で中立地開催)
8)2024年 vsヤンキース(4勝1敗)※ニューヨーク
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。