左肩のけがが心配されていたドジャースの大谷翔平選手。ワールドシリーズ第3戦にスタメン出場しました。
2試合連続ノーヒットも、その存在が相手のプレッシャーに?
南波雅俊キャスター:
ワールドシリーズ第3戦が行われ、4対2でドジャースが勝ち、これで3連勝になりました。
第3戦での大谷選手の打撃成績を振り返ります。
●第1打席:フォアボール
●第2打席:セカンドゴロ
●第3打席:三振
●第4打席:サードファウルフライ
●第5打席:デッドボール
1番・DHで出場し、3打数無安打でした。フォアボールやデッドボールで出塁したものの、2試合連続でヒットがなく、左肩のけがが気になる状況です。
井上貴博キャスター:
松田さんは亜脱臼の経験はありますか?
元競泳日本代表 松田丈志さん:
ありません。水泳の場合は肩を酷使するので、すごくケアをしていました。
第3戦、大谷選手はかばうような姿勢を見せながらも出ていましたが、もうこれはほとんど気持ちの問題だと思います。
ワールドシリーズという夢の舞台を、シーズンずっと一緒に戦ってきた仲間と最後まで戦い抜きたいという気持ちの部分が本当に大きい気がします。
井上キャスター:
医者からはとにかく左肩を固定しなさい、温めなさいと言われていたようです。
それにしても、大谷選手が試合に出ると、その存在だけで相手を威圧していますよね。第1打席もストレートのフォアボールになっていましたし、その存在をまた見せつけられた気がしました。
スポーツニッポン MLB担当 柳原直之さん:
ドジャースのロバーツ監督も、会見で1打席目のフォアボールを非常に評価していました。
フォアボールがフリーマン選手の先制ホームランにつながりましたし、大谷選手の存在が相手のプレッシャーになり、初回でドジャースの流れができたので、本当に大谷選手の存在は大きかったと思います。
左肩けがの状態は? バットから左手を離している様子も
南波キャスター:
大谷選手の肩の状態も気になります。
大谷選手は第2戦(日本時間27日)で盗塁のときに左肩を痛め、亜脱臼と診断されました。
第3戦では、入場時やベンチで待機中に黒いサポーターを装着しており、打席で顔をしかめる場面もありました。また、試合中には打席以外でも左肩を気にする仕草も見られました。
第1打席のフォアボールで出塁したあと、ユニフォームの胸元をつかんで、左肩を固定しているようにも見えました。
また、第2打席でセカンドゴロを打ったときも、左肩を固定するように走っていました。
SNSでも心配の声が上がっています。
「大谷さんを見ると期待よりも失敗が勝つ」
「大谷翔平、表情が辛そう。寒いニューヨークだけに心配」
「大谷スイングした時に肩痛そうで心配。無理せんといてくれ」
第4打席ではスイングしたあと、結構早く左手を離していました。第3打席で三振したときも、素人目には普段よりも早く左手を離しているように感じます。
6日の地区シリーズ・パドレス戦でホームランを打ったときは、もちろんボールも状況も違うものの、しっかり両腕でバットを持ち続けるスイングをしていました。
大谷選手の左肩について、野球医学に詳しいベースボール&スポーツクリニックの馬見塚尚孝理事長は「スイングで左手を離すなど、肩をかばっているように見える。まだ痛みがあるのだろう。肩に腕の重みをかけないよう、くの字に曲げていたのではないか」とみています。
また、大谷選手本人は、試合後の会見で「痛みも引いてきているので、自分のスイングが戻ってきている。(試合中)痛い痛くないは考えてない。痛くない気持ちでやっています」とコメント。悪化しないよう、走塁時など注意しているということです。
井上貴博キャスター:
「痛いか痛くないか教えてください」という記者の質問に対し、「痛くない気持ちでやっています」というのは、あまりない日本語ですよね。正直でもあるなと思いますが…。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
試合に出たい、プレーしたいという気持ちは当然一番強いと思います。減らせる負荷は少しでも減らそうということでやっているのではないでしょうか。
ホラン千秋キャスター:
今、このタイミングなので「痛くない気持ち」と表現できるのかもしれませんが、もしシーズンの中盤でこのようなけがをしていたら、大事をとって休むことになっていたかもしれないですよね。とにかく勝ち切りたい思いが強いのだと伝わってきます。
スポーツニッポン MLB担当記者 柳原直之さん:
このポストシーズン、大谷選手はポジティブな発言が非常に目立っています。地区シリーズのパドレス戦で2敗して後がなくなったとき、そのような質問に対し「僕の頭の中には『後がない』という考えはもうない」と、きっぱり言い切っていました。
そういった気持ちで世界一を目指してやっていますし、本当にあと1勝なので、「痛くない気持ち」というのは、大谷選手の気持ちが非常に伝わってくる回答だったと思います。
“大谷番”記者「第4戦に出場する可能性は高い」
南波キャスター:
ドジャースは8度目のワールドシリーズ制覇、つまり世界一に向けて王手という状況です。
このワールドシリーズで、ドジャースのフリーマン選手は打率3割3分3厘、打点7で、3試合連続のホームランを打っています。
一方でヤンキースは、ジャッジ選手が打率.083、打点0で不振です。これにより、ドジャース対ヤンキースの名門対決に明暗が分かれているのではないかという見方もあります。
柳原さんは大谷選手について「第4戦に出場する可能性は高い」とみています。ただし「“盗塁”“スライディング”などは推薦されていない」という情報を、実際に取材するなかで聞いたとのことです。
井上キャスター:
10月に入ったくらいから大谷選手がさらにパンプアップしたというか、肥えたというか、100キロを超えているのではないかと感じます。近くでみていてどうですか。
スポーツニッポン MLB担当記者 柳原直之さん:
私自身はそこまで感じないのですが、大谷選手のベスト体重は102~103キロです。今、100キロは間違いなく超えているのではないかと思います。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
ベスト体重を維持しているということでしょうか。
スポーツニッポン MLB担当記者 柳原直之さん:
公式ホームページに載っている大谷選手の体重は95キロなのですが、ベストは102~103キロだと、シーズン中にも話すことがあります。
井上キャスター:
今、大谷選手の調子はどうですか?
スポーツニッポン MLB担当記者 柳原直之さん:
亜脱臼は、動かさないときは痛くなくて、動かすと痛いという症状だと聞いています。
大谷選手は痛みは引いていると会見で話していましたが、やはり左手を離してバットを振っているのは少し気になる点なので、そこの心配は変わらないと思います。
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<プロフィール>
柳原直之さん
スポーツニッポンMLB担当
銀行マンからスポーツ紙記者に転身
大谷選手をプロ入団当時から取材“大谷番”11年目
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父
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