佐渡ヶ嶽部屋から独立し、今月19日付けで新設した秀ノ山部屋。がぶり寄りで人気を博した元大関・琴奨菊の秀ノ山親j方は、新部屋でも自ら率先して前へ前へと突き進み、愛弟子たちを牽引していく。
11月の九州場所に向け、秀ノ山親方の故郷・福岡県柳川市の宿舎で新部屋がスタートした。25日は、稽古後、後援会の方々にちゃんこを振る舞うため、午前7時過ぎから親方自ら包丁を持ち準備にあたった。野菜などを運ぶよう弟子に指示すると、整理整頓されていない冷蔵庫を見て、早速弟子を注意する場面も。大人数の皿やコップを並べる作業についても、弟子たちに効率良くこなすよう教えた。
今場所から入門する弟子を含め、部屋には全部で5人。そのうち一人が19歳で、他の4人は16歳という若い弟子たちと親方のやりとりは、まるで親子そのものだった。秀ノ山親方自身も「大切な息子たちを預かっている身。病気とかすると自分の本当の子供より心配してしまう」と言うほどだ。
ちゃんこの準備を終えると、いよいよ稽古に入った。青空の下、広い野原の片隅にある土俵は、かつて自身が子供の時に相撲をとった場所だった。その思い出の場所で、今度は親方となって弟子たちに稽古をつける。まるで運命に導かれたように、新たな相撲人生を、この日この場所でスタートさせた。
まずは四股から順に、相撲で大切な稽古を基本からしっかりと行う。初日という事もあり、まだ本来の稽古ではなかったが、次第に地元のファンたちが見学に訪れた。最後の方は保育園の子どもたちも集まり「がんばれ~」とかわいい声援を受けながら、若い弟子たちが土俵で汗を流した。
夜には再びちゃんこ作り。秀ノ山親方と弟子たちが共に包丁を握り、時には相撲以外の事も学びながら、出来上がった料理を頬張った。記念すべき1日を終えた秀ノ山親方は「何もかもが慣れない事ばかりで本当に大変。いかに多くの人に支えられているのかがわかった。その方々の為にも結果で恩返しをしたい」と語った。
現在、東京・墨田区に秀ノ山部屋を建設中で、11月末に完成予定となっている。
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