24日(木)に迫るプロ野球ドラフト会議―。注目選手のうち、RCC野球解説者の 天谷宗一郎 さんが、楽天1位指名の可能性があると予想したのが、広島出身の 渡部聖弥 選手(大阪商業大)でした。天谷さんが取材しています。
天谷宗一郎 12球団の1位指名予想
大阪商業大学 渡部聖弥 選手(8月)
「セールスポイントは広角に打ち分けることができる長打力と、足を生かした守備です」
ドラフト最上位候補として注目を浴びる渡部聖弥。大学3年から侍ジャパン大学代表にも選ばれると、ことしの高校代表との壮行試合では4番に座り、持ち味の強打を発揮しました。
渡部聖弥 選手
「最後の年になったらやっぱりドラフトにも注目されるので、結果が出しにくいというか、プレッシャーになると思うんですけど、そういうものも自分ははね返すじゃないですけど、それぐらい、しっかりと強いメンタルというか、揺れないものを持っていたいと思います」
高い能力に加え、メンタルまで兼ね備えた渡部に、天谷宗一郎さんも1年以上も前から足を運んでいました。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん(去年)
「すごく上半身もそうなんですけど、下半身が大きいなと…」
渡部聖弥 選手
「はい。高校時代は75キロで、今は88キロなんですけど。1年生からスタメンで出させてもらって全国大会を経験して、もっとウェイトアップ(が必要)というか、2年生にかけて体重を15キロほど増やして、やっぱり打球も変わってくるので…」
天谷宗一郎 さん
「変わりました?」
渡部聖弥 選手
「はい。変わりました」
天谷宗一郎 さん
「おおっ。スピードはそんなに落ちないですよね」
渡部聖弥 選手
「はい。落ちないです」
天谷宗一郎 さん
「10キロ増やしたからって飛距離は伸びるんだけど、スピードは落ちないんですよ。すばらしい。いい脚してるよ」
鍛えあげた体格から繰り出される豪快なバッティングに天谷さんもほれぼれ。
天谷宗一郎 さん
「すごいパワーをしているよね。逆方向へも、うまさもあるし、その中で打球が速い。どの球団もほしいと思う。それぐらいの逸材だと思う」
広島が生んだ “超逸材” 。そのルーツに迫ります。
広島県 府中市出身の渡部は、小学1年生で野球に出会うと週5の練習に励み、家で寝るときもボールを片時も離さない、野球が大好きな少年でした。
天谷宗一郎 さん
「小学校は軟式(野球)?」
渡部聖弥 選手
「小学校は軟式です」
天谷宗一郎 さん
「小学校のときからけっこう有名だったでしょう?」
渡部聖弥 選手
「それは…、府中は小さいので(笑)そんな、全然…」
「プロ野球選手になりたい」―。小学校高学年でその夢を口にした渡部。体を大きくするためにと「食トレ」にも励み、嫌いだったというお米も必死に克服します。
そして、「プロに行くために甲子園に行きたい」―。その思いで進学を決めたのが、広島県内屈指の強豪・広陵高校でした。春のセンバツで念願の甲子園出場を果たすと、3年間で通算30本のホームランを放つ、チームの主砲へと成長しました。
渡部は、卒業後も同級生の明治大学・宗山塁とともに母校へ自主トレに訪れ、自らの腕を磨いています。
渡部聖弥 選手
「厳しさが違いますから、本当に。広陵とほかの高校でも違うし、大学ってなったらまた厳しさが変わってくるので。やっぱり、ここ(母校)だと身が締まるというか…」
去年末に訪れた際には3年間、寮の同部屋で過ごしてきた宗山とこんなやり取りも…
大阪商業大学 渡部聖弥 選手
「自分が言うんですよ。LINEとかもちゃんと『!』を入れた方がいいよって。『わかった』じゃなくて『わかった!』、びっくりマーク。『!』を2個ぐらい入れるだけで印象違うよっていう話をするんですけど、『わかった。』とか…。びっくりマークも何もつけないんです」
豪快なバッティングとは裏腹に、几帳面な素顔が垣間見えた渡部。そんな広島のスラッガーと縁深い選手が広島カープにもいました。今シーズン最終戦でプロ初登板を果たしたドラフト2位ルーキー・髙太一 。広陵高校、そして大阪商業大学と5年間、同じチームで戦った竹馬の友です。
広島カープ 髙太一 投手
「ガタイとか顔は “ゴリラ” みたいなやつなんですけど、本当に根は優しくて、いい後輩。まじめで野球にもストイックなので、本当にどこの球団に行ってもすごく活躍してくれる可能性がある。かわいがっていた後輩なので、できるなら一緒にプレーしたいなっていう気持ちはあります」
渡部聖弥 選手
「(去年)髙さん(広島)、上田さん(西武)がドラフト2位で行っていて、その前の年は(先輩が)選ばれずに苦しい姿を見てきたので、髙さん・上田さんもそういう姿を見てきて、がんばらないといけないと思ってやってきた。そういう姿を自分は見てきたので、やれることをしっかり詰めて、もう後悔がないようにドラフト(会議)で選ばれてプロで活躍するのが一番なんですけど、まず通過点としてはそういう球団から一番いい評価で選んでもらあるのがやっぱり一番だなとは思っています」
◇ ◇ ◇
石田充 アナウンサー
応援したくなる、広島が生んだ長距離バッター…
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
そうですね。本当に話していてもまじめな好青年なんです。一つのことに対して真摯に向き合っているし、本人も言っていたように「後悔がないように」と。口だけじゃないんです。ちゃんと準備して臨んでいるんです。それが、初めて会ったぼくでも気づいているので、周りの人もやっぱりそういうふうにがんばれって思っているんじゃないかなと思います。
青山高治 キャスター
渡部選手の脚を触ったらわかりました?
天谷宗一郎 さん
めちゃくちゃすごかったんですよ。
石田充 アナウンサー
そんな渡辺選手ですけど、こんな逸話がありました。お父さんから聞いた話です。レギュラーをつかんだのが、小学3年生のときだったんですけど、チーム一の “ある技術” を持っていたんです。
長距離砲のイメージがある渡辺選手なんですが、チーム一の「バント技術」を買われて、レギュラーをつかみました。異名が「バント職人」だったという過去がある。
田村友里 キャスター
カープにぴったりじゃないですか。
石田充 アナウンサー
ああ、いろいろと細かい野球もできると。バント職人ですけれども、つい先日、関西の大学のリーグがあったときに、打てばリーグ安打記録がかかるというときに、渡部選手は自分の意志でバントをしたんです。それぐらい、まだこのルーツ、3年生のときにレギュラーをつかんだ技術は、大学時代、ドラフトでも注目されて、いろんなスカウトの前で安打記録を更新すれば、また評価が高まるにもかかわらず、細かい野球を選んだ。なんか好きになりますね。
天谷宗一郎 さん
そうですね。For the Teamっていう精神をずっと持っているっていうことですよね。
田村友里 キャスター
なんかいい形でカープに入ってくれないですかね…
天谷宗一郎 さん
残ってないかな…。1位・2位で獲れたら150点・200点のドラフトです。
石田充 アナウンサー
カープが1位指名を公表した宗山塁選手も地元出身で “赤い糸” がつながるのかどうか…、注目のドラフト会議は24日(木)です。
天谷宗一郎 さん
いや、選手もドキドキ、スカウトの方もドキドキしていて、本当に楽しみにしたいなと思います。
石田充 アナウンサー
そして、天谷さんの12球団のドラフト1位指名予想、1年前が打率.250。今回、その予想がどれぐらい打率が上がるのか、こちらも注目したいと思います。
(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)
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