■MLB 地区シリーズ第5戦 ドジャース 2-0 パドレス(日本時間12日、ドジャー・スタジアム)

パドレス・ダルビッシュ有(38)が12日、地区シリーズ第5戦、敵地でのドジャース戦に先発、ドジャースは山本由伸(26)が先発となり、ポストシーズン史上初の日本人投手の投げ合いとなった。ダルビッシュは6回2/3、77球を投げて、被安打3(2本塁打)、奪三振4、四死球1、失点2(自責点2)。大谷は3打数無安打2三振と完璧に抑えたが、2本塁打で2失点。チームもドジャース山本に5回無得点、中継ぎ陣にも抑えられてわずか2安打で完封負け、チーム史上初となるワールドシリーズ制覇の悲願は叶わなかった。

球団創設55年でいまだにワールドシリーズ制覇を成しえていない数少ない球団となったパドレス、2勝2敗で迎えた最終戦、大一番のマウンドを託されたメジャー13年目のダルビッシュ。

1回、迎えるは1番・大谷翔平(30)、ポストシーズン2度目の対決。前回は3打数無安打、ベテランの投球術を駆使して抑え込んだ。M.シルト監督(56)はダルビッシュの起用に「彼はこの世代の投手の中で世代を代表する投手の一人だ。だから自信がある」と語った。

試合前、ブルペンで投球練習を終えると、D.シース(28)、J.マスグローブ(31)と先発投手陣がダルビッシュを支える様に後ろについて、一緒にグランドへ入ってきた。試合の流れを占う大谷との第1打席、ドジャー・スタジアムはいきなりスタンディングオベーション。

1球目は長くボールを持ってストレート、2球目もストレートでカウントは1-1、そこから、スプリット、カットボール、カーブと低めに集めて、フルカウント。そして、6球目は内角低めのスライダーで空振り三振。大谷の苦手な高めの速い球を1球も使わずに打ち取った。

2回、1球1球に集中し、丁寧に投げていくダルビッシュ、先頭のM.マンシー(34)にもこの試合3人目となるフルカウントになると、最後はカーブが外れて四球。先頭打者を嫌な形で出塁させたが、6番・W.スミス(29)をスプリットでサードゴロ併殺打、ダルビッシュもグラブを叩いて大きな声を挙げた。しかし、7番・K.ヘルナンデス(33)の1球目、ストレートがシュート回転して、甘く入ると見逃してもらえず、レフトスタンドへ先制のソロホームランを浴びた。メジャー13年目のベテランも併殺打で走者がいなくなった一瞬の落とし穴にはまってしまった。

ダルビッシュは3回、1死から大谷と2度目の対戦、カウント1-1からボールを投げるリズムも変えて、長く持ってバットの芯を外すカットボールでサードフライに打ち取った。

4回、4番・T.ヘルナンデスから三振を奪うと絶叫、気迫の入った投球でK.ヘルナンデスのホームラン以降はパーフェクトピッチング、ドジャース打線に出塁を許さなかった。

6回のマウンドにたったダルビッシュ、1死から大谷と3度目の対戦。ダルビッシュは1球目を前にボールの交代を要求、その1球目、内角低めにスライダーでファール、さらに2球目は118キロのカーブには全くタイミングが合わずにバットの先に当たるファール。カウント1-2と追い込まれると、最後は全くタイミングが合っていなかったカーブで空振り三振。打席中に一番打たれないボールを選択し、徹底的にそのボールで攻めていった。

ダルビッシュの好投に応えたいパドレス打線だが7回には3者連続三振と4回以降は走者を1人も出塁することが出来なかった。味方の逆転を信じて、7回のマウンドにあがったダルビッシュ、1死から迎えるは4番・T.ヘルナンデス、カウント1-2からこの試合の75球目、スライダーが甘く入ってしまい、レフトスタンドへポストシーズン2号ソロ、ドジャースの大きな追加点を奪われてしまった。それでも気持ちを切らさずに5番・マンシーをライトファールフライに打ち取ったダルビッシュはここで降板となった。

ダルビッシュは6回2/3、77球を投げて、被安打3(2本塁打)、奪三振4、四死球1、失点2(自責点2)。大谷は3打数無安打2三振と完璧に抑えたが、2本塁打で2失点となった。

パドレスは8回までドジャース投手陣を崩せず無得点、9回、最後の攻撃、ドジャースは5人目B.トライネン(36)、パドレスの先頭打者は代打のD.ソラーノ(36)はサードゴロ、パドレスはこの試合、1度も先頭打者の出塁が出来なかった。続くはナ・リーグ首位打者のL.アラエス(27)はライトフライ、そして、2番・タティースJrがサードゴロ。パドレスはわずか2安打に抑えられて、ダルビッシュの好投も報われず地区シリーズで敗退。チーム初のワールドシリーズ制覇は道半ばで終わってしまった。

【パドレス ポストシーズン成績】
1984年 ワールドシリーズ敗退
1996年 地区シリーズ敗退
1998年 ワールドシリーズ敗退
2005年 地区シリーズ敗退
2006年 地区シリーズ敗退
2020年 地区シリーズ敗退
2022年 ナ・リーグ優勝決定シリーズ敗退
2024年 地区シリーズ敗退

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。