九州学院高校出身のプロボクサー・堤 聖也 選手。10月、初の世界タイトルマッチでチャンピオンへと挑戦します。夢の頂点まであと一歩と迫る28歳の青年、挑戦者の横顔を取材しました。
【WBA世界バンタム級 2位 堤 聖也 選手】
「よく使われる言葉では『(バンタム級)戦国時代』とか、おもしろいと思いますよ、そこに僕も一応、名前を連ねてるんで」
(プロ13戦11勝(8KO)2分け)
KO率の高いパンチを武器に、プロボクシングの主要団体で世界ランキング上位に食い込んでいる堤 聖也 選手。
右構えのいわゆるオーソドックス。そして、左構えのサウスポーと相手や状況によって2つのフォームを使い分ける「2刀流」のボクサーです。
堤選手は1995年、3人兄弟の末っ子として熊本市で生まれました。幼いころは兄と姉の影響でボールを追いかけるサッカー少年だったそうです。
【姉・夏美さん】
「練習中に(一人だけ遊んで)逆立ちしてました。サッカーは上手じゃないね、聖也君ね」(ボクシングはあんなに上手なのに?)「サッカーは下手くそだね」中学生のときに人気漫画『ドラゴンボール』の影響で「強くなりたい」とボクシングに転向。強豪・九州学院高校でインターハイ3位の成績を残し、プロ入り後は日本チャンピオンのベルトを手に入れます。世界ランキングも2位まで上昇。今回、世界チャンピオンへの挑戦が決まりました。
【堤 聖也 選手】
「(相手は)井上拓真です。一度(アマチュアで)負けていて。高校2年生のときですね。新潟IHの準決勝で負けて」
ベルトをかけて戦うのは世界最強とも評される「モンスター」こと井上 尚弥 選手の弟、井上 拓真 選手。兄に負けず劣らずのボクシングセンスを武器に、WBA世界バンタム級のチャンピオンに君臨しています。
【堤 聖也 選手】
「プロになる理由の何割か、パーセンテージも拓真と試合したい気持ちはやっぱりあったので」
(8月6日)
高校時代から追い求めた相手との対戦を前に、堤選手は母校・九州学院を訪れました。
【堤 聖也 選手】
(母校にはよく来られるんですか?)
「帰ってきたら、ってカンジですね。絶対顔は出します」
(理由は?)「
「帰ってきたら来るでしょ。普通に。帰ってきたらあいさつはするでしょ」
当時お世話になった先生やボクシング部の後輩と触れ合うことが戦うためのモチベーションの一つとなっています。
【堤 聖也 選手】
(どんな高校生でした?)
「ボクシングしかしてないです。教室に枕持ってってましたもん。友達いなかったんで、高校時代。バカっすよね、変に尖ってたから」
当時はたった一人でボクシングと向き合っていたという堤 選手。世界を狙う立場となった今、熱心に後輩たちのミットを持ち細かくアドバイスを送ります。
【堤 聖也 選手】
「打って反動があるじゃん。反動で一緒に動く、動く。そしたら(パンチを)全部つなげられるから。今みたいなコンビネーションは動きの中で使えるから。シャドー(ボクシング)とかでもやってみ」
【九州学院高校 ボクシング部員】
「去年、堤さんにミット受けていただいて、今年はインターハイに行くことができました」
【堤 聖也 選手】
「お前の頑張りのおかげだよ、それは。俺、関係ねぇよ。頑張れよ!」
【九州学院高校 ボクシング部 村上 雅喜 主将】
「世界のベルトをとれると思うんで、必ずここ九学に持って帰ってきてください。応援してます」
【堤 聖也 選手】
「僕自身の人生ですよね。自分のためにやってることで(結果が出たら)周りが喜ぶんでしょう。一番いい形じゃないですか。そう思ってボクシングやってるから」
人生をかけて挑む世界の頂点。挑戦者・堤 聖也 対 チャンピオン・井上 拓真の世界タイトルマッチは10月13日(日)にゴングです。
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