「車いすテニス」ジャパンオープンの男子シングルスで、2連覇を達成した18歳の小田凱人選手。史上最年少記録を次々に更新し、レジェンド国枝慎吾さんの“後継者”と目されています。「車いすテニス」の見どころとは?小田選手の強さの秘訣とは?“国枝越え”の可能性は?手作り解説でお伝えします。

車いすテニスの見どころ「チェアワーク」

「車いすテニス」の見所の1つが、激しい打ち合いを支える巧みな車いす捌き「チェアワーク」です。

普通のテニスは2バウンドする前に打ち返さなければいけませんが、車いすテニスでは2バウンドまで認められるので、ボールを追いかける距離が長くなり、車いすを縦横無尽に走らせるテクニックが重要です。

また、車いすは車輪の向いている方向にしか動けないため、素早いターンが必要でターンしやすいように車輪は“ハの字”型に取り付けられています。

“常識”を変え「積極的に前に出る」

手にラケットを持ちながら、両手と体重移動で車いすを操作する「チェアワーク」。

小回りが利かないので、「車いすテニス」はベースライン上でラリーをするスタイルが主流でした。

しかし、その車いすテニスの“常識”を変えたのが小田凱人選手です。

小田選手はリスクを恐れず、積極的に前に出ることで主導権を握ったんです。

史上最年少での「ゴールデンスラム」達成なるか

小田選手は、こうした「チェアワーク」を武器に快進撃を続けています。

テニス界には「ウィンブルドン」など最高峰の世界大会が4つありますが、そのうちの1つ「全仏オープン」で2023年、史上最年少(17歳1か月)で優勝。

2024年のパラリンピックでの優勝も史上最年少(18歳4か月)です。

4大大会とパラリンピックを制覇することを「ゴールデンスラム」と言いますが、「車いすテニス」男子でこれを達成したのは国枝慎吾選手だけです。

優勝回数は「全豪オープン」11回、「全仏オープン」8回、「全米オープン」8回。

「ウィンブルドン」が車いすのシングルスを始めたのは2016年からですが、国枝選手が「ウィンブルドン」で優勝して「ゴールデンスラム」を達成したのは、引退前の2022年、38歳での達成でした。

一方、小田選手は18歳にして、すでに4大大会のうち3大会とパラリンピックで優勝していて、残る「全米オープン」で優勝すれば、史上最年少での「ゴールデンスラム」達成となります。

きっかけとなった国枝慎吾選手を超えるか

もともとはサッカー選手を目指していた小田選手。9歳の時、骨に出来る「がん」、骨肉腫がみつかり、車いす生活となりました。

サッカー選手の夢は絶たれましたが、その時、パラリンピックで活躍する国枝さんを見て、「車いすテニス」を始めたといいます。

その国枝さんを超える日も来るのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2024年10月6日放送より)

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