■パリパラリンピック 車いすテニス男子シングルス決勝(日本時間7日、ローランギャロス)
世界ランキング2位の小田凱人(18、東海理化)が、車いすテニスシングルス決勝で同1位のA.ヒューエット(26、イギリス)をセットカウント2-1(6-2、4-6、5-7)で下し、金メダルを獲得した。小田は史上最年少でパラリンピックチャンピオンの称号を手に入れ、ダブルス銀に続く今大会2つ目のメダルを手にした。
第1セット第1ゲーム、小田は速いサーブからの強烈なバックハンドで得点を重ね、サービスゲームをキープ。第1ゲーム終了後、ヒューエットはメディカルタイムアウトを取りコートの外に出て行き、約11分後に戻り試合は再開された。その後は、強烈なリターンエースなどで小田が主導権を握り、ゲームカウント6‐2で先取する。
第2セットは互いにサービスゲームをキープして迎えた第9ゲーム、小田は相手にブレークを許し、このセットを4-6で失う。第3セット序盤も小田はサービスゲームをキープできず相手にリードされる苦しい展開。それでも4‐5で迎えた第10ゲーム、絶体絶命の場面で小田はブレークに成功しタイに戻すと、続くサービスゲームもキープする。勢いに乗った小田は相手のサービスゲームをブレークし、このセットを奪い勝利した。
パラリンピックは初出場の小田だが、四大大会シングルスでは全仏オープンを2度制覇。全豪オープンとウィンブルドンも制しグランドスラム4勝と、今大会金メダル候補の一人。シングルスは予選から準決勝まで全てストレートで相手を下し決勝に勝ち上がった。男子ダブルスでも三木拓也(35、トヨタ自動車)とのペアで銀メダルを獲得した。
■小田凱人(おだ・ときと)
2006年5月8日、愛知県一宮市出身。9歳の時、左股関節に骨肉腫を発症し車いす生活に。10歳の時、国枝慎吾氏の動画を見て車いすテニスを始める。「世界Jr.マスターズ」単複優勝、15歳でプロ転向を表明し、17歳の時に出場した昨年の全仏オープンで史上最年少優勝を果たし、史上最年少で世界ランキング1位にも到達。同年10月の杭州アジアパラ男子シングルスを制し、パリパラリンピックの日本代表に内定した。「凱人」という名前の由来になっているのがパリの凱旋門。「勝ちどきをあげる」という意味から名づけられた。
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