■パリパラリンピック 車いすラグビー決勝(日本時間3日、シャンドマルス・アリーナ)
世界ランキング3位の日本は、同2位のアメリカを48ー41で下し、史上初となる金メダルの快挙を果たした。16年のリオパラ、21年の東京パラと2大会連続銅メダルの日本は、3度目の挑戦で悲願の頂点となった。
大会前には日本車いすラグビーの“顔”、4大会連続のパラリンピック出場となる絶対的エース・池崎大輔(46、三菱商事)は「今のチームは間違いなく世界一になれるチーム」とコメントしていた。準決勝は延長戦で世界ランク1位のオーストラリアに競り勝ち史上初の決勝に進出した日本、決勝の相手は予選で対戦し、45ー42で勝利を挙げているアメリカ。
1ピリオド8分間で4ピリオド行われる車いすラグビー、試合前にはキャプテンの池透暢(44、日興アセットマネジメント)が円陣で気合を入れた日本、第1ピリオド、日本は開始2分過ぎにアメリカにパスをスティールされて追いかける展開となった。日本はしっかりとディフェンスでアメリカからボールを奪おうとするが、アメリカの巧みなパスワークでなかなかボールが奪えなかった。すると第1ピリオド終了間際に日本がゴール前で手痛いパスミス。第1ピリオドは11ー14と3点差をつけられた。
第2ピリオド、開始1分30秒、アメリカのパスをキャプテンの池がスティールし、連続得点で流れを作った。アメリカは自陣手前を守り、キーディフェンスで守りを固めるが日本はボールを持たない味方がしっかりコースを開けてトライを奪って行った。
第2ピリオド残り1分8秒でチーム最年少の橋本勝也(22、 日興アセットマネジメント)がアメリカのパスをカットして、そのままトライ。日本が24ー23と逆転して、前半を終了した。
第3ピリオド開始早々、日本はアメリカの固いディフェンスを破れず、攻撃時間内に得点出来ずアメリカに得点を許したが、アメリカも日本のプレッシャーにパスミスが生まれ、日本がすぐにリードを奪った。
一進一退の展開は第3ピリオド残り3分44秒、日本はアメリカの波状攻撃を固いディフェンスで守り抜き、得点を与えず。日本が試合を有利に進める展開となった。さらに残り2分22秒でも日本はアメリカのパスをしっかりディフェンス。第3ピリオドは35ー32と3点差を付けた。
第4ピリオド開始早々、日本のプレッシャーは途切れることなく、アメリカはパスをミス。日本が得点を重ねて、5点差を付ける場面も。
最後まで日本は気持ちを切らさず、固いディフェンスでアメリカにプレッシャーをかけつづけ、連続得点を許さず、48ー41で勝利。日本は史上初となる金メダルを獲得、16年のリオパラ、21年の東京パラと2大会連続銅メダルの日本は、3度目の挑戦で悲願の頂点となった。
日本は1次リーグA組で、2戦目の東京大会銀メダル・アメリカを撃破するなど3戦全勝で1位通過。準決勝では世界ランキング1位のオーストラリアに延長戦での劇的な逆転勝利を収め、今大会を全勝で終えた。
*写真は橋本勝也選手
■車いすラグビー
パラリンピック競技で唯一車いす同士がぶつかるタックルが認められている。激しいコンタクトプレーにも耐えられる頑丈な競技用車いすを使用し、ボールは丸い専用球を使用。1チーム4人で戦い、頸随損傷や機能障がいなど四肢に障がいのある選手たちが、巧みな車いす操作でトライを狙う。
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