青山高治 キャスター
視聴者の方から「石田さんにお伝えください」とメールが届いています。広島市のゆきさんからです。「 “データマン” 石田さんはお気づきでしょうか? この8月に広島カープはおよそ2年ぶり、新井さんになってからは初の数字に関する出来事がありました。カープが『その月の1日』の試合に勝ったのは、2022年7月1日のマツダスタジアムの巨人戦以来です』。“データマン” の石田さんならお気づきでしょうか?

石田充 アナウンサー
全く気づいておりませんでした。ゆきさん、すばらしいと思います。よく、「これ、調べてください」っていう意見もあるんですけど、調べて完結されているゆきさん、すばらしい『 “数数(カーズカズ)”!』だと思いますから、こういった気づいたことがあったら、また教えていただければと思いました。

青山高治 キャスター
ありがたいんですね?

石田充 アナウンサー
めちゃくちゃ、ありがたいです。きょうは、これをぜひチェックしていただきたい。残り50試合になりました。去年、残り50試合での順位をことしと比較しようと思うんです。去年、阪神と1ゲーム差で残り50試合だったんです。貯金は12。ことしは貯金11で首位ということで、貯金数でいうと去年とほぼ同じで残り50試合を迎えているんです。

残り50試合での順位表(93試合消化時点)
去年(7月31日)
       貯金 勝差
1 阪神   +14 ー
2 広島   +12 1.0
3 DeNA  +3 5.5
4 巨人   +2 6.0
5 ヤクルト +3 13.5
6 中日   -20 17.0

ことし(8月4日)
       貯金 勝差
1 広島   +11 ―
2 巨人   +9 1.0
3 阪神   +8 1.5
4 DeNA   -4 7.5
5 中日   -11 11.0
6 ヤクルト -14 12.5

それで去年、残り50試合がどうだったかというと、なかなか勝ち星を挙げられませんでした。勝率5割を切ってしまったんです。

去年(2023年) “残り50試合” の成績
広島カープ 22勝25敗3分 勝率.468

逆にほかの球団がどうだったかというと、阪神が残り50試合で貯金17と突っ走りまして、10ゲーム差をつけられました。

1 阪神   33勝 16敗 1分 +17
2 DeNA  27勝 22敗 1分 +5
3 巨人   24勝 25敗 3分 -1
4 広島   22勝 25敗 3分 -3
5 中日   21勝 26敗 3分 -5
6 ヤクルト 18勝 31敗 1分 -13

なんでこんなに差がついたのか―。もちろん、阪神は強かったんですが、カープにも誤算がありました。まず 新井貴浩 監督がよく言われるのが、「主力野手の離脱」なんです。

去年(2023年) “残り50試合” の誤算
① 主力選手の離脱
西川龍馬・秋山翔吾・菊池涼介・
上本崇司・野間峻祥

終盤、これだけ主力選手がいなくなった。打順も1番バッター、4番バッターはなかなか固定できずに、残り50試合は1番バッターに7人、4番バッターに6人の選手を使いました。

ただ、ことしはここまで頼りになる1番と4番がいます。ベテランの 秋山翔吾 選手と 小園海斗 選手、この2人がしっかり出続けることによって残り50試合、いい戦いができると思います。

あと、もう一つ、去年の誤算は防御率。93試合消化時点ではセ・リーグ2位の2点台だったのが、残り50試合でセ・リーグ5位の3点台後半になってしまいました。先発4本柱もそれぞれ貯金を作れなかった、残り50試合だったんです。

去年(2023年) “残り50試合” の誤算
② 防御率の悪化

93試合まで 2.97(セ・2位)
⇒ 残り50試合 3.62(セ・5位)

先発4本柱の防御率
去年
九里亜蓮 床田寛樹 大瀬良大地 森下暢仁
 2.71   2.85   4.74   4.99
(2勝4敗)(2勝5敗)(2勝3敗)(3勝4敗)

ことし
 3.16   1.68   0.85   1.63

ただ、今シーズンはみんな、防御率がいいですから去年とは違った展開が待っていると思います。

青山高治 キャスター
違いすぎるぐらい、違いますね。すごいですね。

石田充 アナウンサー
さらにリリーフ陣。カープ・リリーフ陣の防御率はセ・リーグトップの1点台です。

リリーフ防御率
1 広島 1.95
2 阪神 2.21
3 中日 2.35
4 巨人 2.45
5 ヤクルト 2.69
6 DeNA 3.00

田村友里 キャスター
すごい。

リリーフ 今季の防御率
森浦大輔 1.53
栗林良吏 1.07
黒原拓未 1.64
塹江敦哉 1.27
島内颯太郎 2.52
河野佳 1.80
ハーン 0.53
コルニエル 1.00

石田充 アナウンサー
今、8人が1軍登録されているリリーフ陣はみんな、いいんです。防御率2.52の 島内颯太郎 投手が一番悪いなんていうぐらいのレベルの高さなんです。ただ、ここからカギを握りそうなのが、去年の残り50試合でこのうち誰が投げていたか―。

昨季 残り50試合でのリリーフ数
森浦大輔 2/50
栗林良吏 23/50
黒原拓未 0/50
塹江敦哉 0/50
島内颯太郎 25/50
河野佳 4/50
ハーン ―
コルニエル 0/50

栗林良吏 投手と島内投手は投げていたんですが、ほかのピッチャーはほとんど投げていませんでした。優勝争いの経験がない中でどんな50試合になるのか、注目していただきたいと思います。

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