劇的なウイニングパットを沈め、キャディーに駆け寄る藤田光里。ツアー初制覇を飾った=2015年4月26日、川奈ホテルGC富士コース
女子ゴルフの第42回フジサンケイレディスクラシック(フジテレビ、産経新聞社など主催)は4月19日、静岡県伊東市の川奈ホテルGC富士コースで開幕する。40年を超える歴史を誇り、幾多のドラマを生んだフジサンケイレディス。記憶に残る「思い出の名場面」を厳選し、当時の記事と写真で振り返る。

(2015年4月26日、静岡・川奈ホテルGC富士コース=6367ヤード、パー72)

首位に3打差の3位から出た20歳の藤田光里が通算7アンダーにスコアを伸ばしてツアー初優勝を飾った。賞金は1440万円。

最終18番(パー4)で、藤田光はピンまで5メートルのバーディートライに成功。外せば6人によるプレーオフの可能性もあったが、劇的な逆転優勝で大混戦を抜け出した。

1打差の2位は前日首位の一ノ瀬優希、松森彩夏、表純子と韓国勢のイ・ボミ、金ナリの5人が続いた。

18番、グリーンエッジから鮮やかにバーディーを奪い、優勝を決めた藤田光里=2015年4月26日、川奈ホテルGC富士コース
順位 スコア 選手 1R 2R 3R

優勝

-7

藤田光里

209

71

69

69

2T

-6

イ・ボミ

210

74

68

68

松森彩夏

210

67

73

70

表純子

210

69

71

70

金ナリ

210

73

66

71

一ノ瀬優希

210

70

67

73

同期の松森彩夏に「負けたくなかった」

劇的な初優勝だった。最終18番(パー4)。6人が首位に並んでいた。グリーンエッジから藤田光のパターで打った残り5メートルがカップに吸い込まれた。その瞬間、キャディーと抱き合い、感激の涙を流した。

「ビビらないように強く打った。プレーオフになってもおかしくないと覚悟していた。入った瞬間は頭の中が真っ白になった。素直にうれしい」と評判の美人顔に笑みを浮かべた。

85期生として一緒にプロになった松森が優勝争いを展開。「(同期で)仲良くやってきて、今週は(松森)彩夏が勝つと思った。でも、すごく意識したし、負けたくなかった」と打ち明ける。

12番付近に設けられたスコアボードで松森のトップを確認すると「そこから頑張ろう」と奮起した。

前半で3バーディーを奪ったが、その後はチャンスを決めきれない。15番(パー4)で3パットのボギーをたたき、16番(パー5)で4メートルのバーディーパットを外し「まずいと思ったが、あと2ホールあるからと(キャディーから)声をかけてもらい集中できた」と感謝。逆転劇に結びつける要因となった。

周囲の期待に沿う形で初優勝を飾り「2勝目と言われるほうがつらいのかな。でも自分に勝てれば大丈夫かな」とプレッシャーをはねのける術を得たようだ。不安を抱える左手首は「テーピングをして安定してきている」と問題はなさそう。となれば、目標の複数回優勝は意外に早く訪れるかもしれない。(松本恵司)

ツアー初優勝を飾り、優勝杯を手に笑顔の藤田光里=2015年4月26日、川奈ホテルGC富士コース

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