甲子園球場(兵庫県西宮市)が今年8月、開場から100年を迎える。プロ野球は1936年4月に初めて公式戦が開催され、昨季まで5573試合が行われ、本塁打は6769本が飛び出した。数々の名勝負が繰り広げられた舞台で最も多くの本塁打を放った選手、白星を一番多く手にした投手は誰か、調べてみると光輝く「ミスタータイガース」の名前が浮かんでくる。
甲子園での公式戦で最も本塁打を打ったのは4代目ミスタータイガースこと掛布雅之。74年からの15シーズンで144本を放った。2位は139本で3代目ミスタータイガースの田淵幸一。69年の新人年から西武へトレードされるまでの10年間でマークした。
3位は現阪神監督の岡田彰布で128本。特筆すべきは甲子園と相性がよかったことだ。生涯349本塁打の掛布、阪神時代320本の田淵ともに甲子園の比率は4割少しだが、岡田は阪神時代は通算245本塁打で5割以上を占めている。日本一になった85年、掛布、岡田とともにバックスクリーン3連発を演じたランディ・バースも通算202本塁打のうち、甲子園では91本(6位)だ。
岡田は甲子園では勝負強く、打点は掛布の431打点に次ぐ396打点で2位。85年に限ると甲子園でのアーチは23本でチームトップ。22本のバース、17本の掛布を上回っている。
本塁打4位は125本の真弓明信。5位は2003年に広島から移籍してきた金本知憲。阪神での85本に加え、広島時代にも12本放っている。佐野仙好とともに10位タイのSHINJO(新庄剛志)は阪神時代に61本、米大リーグから帰国した後に在籍した日本ハム時代に2本。初代ミスタータイガースの藤村富美男は76本で7位。タイガースの選手を押しのけて66本で8位にランクインしたのが巨人の王貞治。さすがは通算868本の世界のホームラン王といえる。
次に投手の個人通算勝利を見ると、1位は2代目ミスタータイガースの村山実で117勝。1年目の1959年から引退する72年まで通算222勝のうち、半数以上が甲子園での白星だ。2位は91勝の小山正明、3位は80勝の江夏豊。小山は大洋(現DeNA)、江夏は広島などでもプレーしたが、甲子園での勝利は阪神時代のみ。巨人から移ってきた小林繁は49勝で7位タイ。巨人で5勝を挙げている。
現役選手を見ると、本塁打で大山悠輔が56本(通算123本)で10位タイまで7本と、今季中のベスト10入りを視野に入れる。投手の勝利では西勇輝がオリックス時代を含めて25勝(通算118勝)、青柳晃洋が21勝(通算59勝)。10位タイの福原忍らの47勝にはまだ遠い。
ほかの部門では個人通算安打は藤田平が913本でトップ。2位は鳥谷敬(846本)、3位は和田豊(831本)。個人通算セーブは藤川球児が114で1位。2位は山本和行(66セーブ)。現役の岩崎優が34セーブで5位だ。
甲子園での高校野球(春・夏)に目を移すと本塁打は清原和博(大阪・PL学園)が13本でトップ。出場した5季すべての大会でアーチを描いている。2位は6本で桑田真澄(同)、元木大介(大阪・上宮)、中村奨成(広島・広陵)。投手の最多勝は桑田で20勝。複数投手制が進み、低反発の新基準バットが導入された現在、これらの記録は「不滅」といえるだろう。(プロ野球取材班)=成績は2023年終了時点
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