パリオリンピック™男子バレーボール1次リーグで日本はアルゼンチンと対戦し、3-1で勝利をしました。元日本代表の山村宏太さんに詳しく伺います。

■アルゼンチン戦 サービスエース7本 「普通ではありえない数」

加藤シルビアキャスター:
日本は第1セットで7本のサービスエースを決めました。勝利のポイントはこのサービスエースにあったそうです。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さんは「1セットで7得点は普通ありえない。このサービスエースでの得点が日本の勝利につながった」といいます。

ホラン千秋キャスター:
7得点のうち5本は西田有志選手が決めていますね。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
西田選手は毎回サーブのコースを変えていました。これは相手選手からしてみると、どうやって待ち受けていいかわからなくなり、非常に苦しんだと思います。

ホランキャスター:
1セットで7得点は普通ではありえないということですが、なぜでしょうか。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
相手チームも日本チームのデータを分析し、選手の得意コースを調べていますから、多くて3~4本くらいです。7本を決めたことはありえなかったということです。

ホランキャスター:
日本チームは相手チームの研究を上回るほどの進化を遂げていたということでしょうか。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
西田選手は所属チームで『ゴリラ』と呼ばれるくらい、パワフルなサーブ持っています。それが見事に出た試合だったと思います。

■『粘り強いディフェンスからの長いラリーを制する』日本の強みは世界の見本に

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
外国チームはボールがネットに引っかかるケースが多く見られました。しかし日本のサーブの精度は高いのではないでしょうか。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
日本はミスが少なく、かつ高橋藍選手のショートサーブなども織り交ぜて攻めていたので、相手は足が動かないケースもありました。

井上貴博キャスター:
ドイツとの初戦を落とした日本ですが、今回の試合はチームに何があったのでしょうか。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
初戦ということで自分たちの強さを証明しようとしたのが、逆に足元をすくわれ、相手にチャンスを与えてしまったのかなという印象です。
2戦目のアルゼンチン戦に関しては自分たちの戦い方を思い出して挑んだのだと思います。

ホランキャスター:
頑張りすぎてしまったということですか?

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
そうですね。自分たちの強みを前面に出すことが“勝ちに向かう一番の近道”だと思います。(初戦では)ちょっと忘れてしまったのかな。

井上キャスター:
日本チームの強みはどこにありますか?

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
『粘り強いディフェンスからの長いラリーを制する』これが日本の強みです。最近は他の国もこれを真似するようになってきました。日本のバレーは世界の見本になっているのです。

■アメリカ戦のカギは? 決勝トーナメント選出の条件は?

決勝トーナメントの進出は、▼各グループの上位2チーム ▼3位のうち上位2チームの計8チームとなります。

【順位表(グループC)】
1位 アメリカ :勝ち点5
2位 日本:勝ち点4
3位 ドイツ:勝ち点3
4位 アルゼンチン:勝ち点0

【勝ち点はどう決まる?】
・3-0か3-1で勝利→3点
・3-2で勝利→2点
・2-3で負け→1点

決勝進出がかかる次の対戦相手、アメリカは世界ランキング6位(日本は世界ランキング3位)です。過去の対戦成績は▼6月のネーションズリーグは3-0で日本勝利 ▼2023年10月ワールドカップは2-3で日本が負けています。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さんは「アメリカは後半にミスが多いチームなので、粘って接戦に持ち込むと勝率は5~6割ほど」だといいます。

ホランキャスター:
アメリカは対戦相手としていかがでしょうか。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
アメリカは非常に力があってベテラン選手も多いチームです。長い戦いになると思いますが、その流れを序盤から作ることができたら、3-1ないしは3-0で日本は勝つことができるのではないでしょうか。

井上キャスター:
日本はネーションズリーグでアメリカにストレート勝ちでしたが、アメリカはオリンピックのために温存をしていたのでしょうか。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
ネーションズリーグに関しては日本もアメリカも戦力を温存した状態で、日本が勝ちました。その意味ではお互いに情報を隠せていたのですが、オリンピックで2試合終了したいま、情報はお互い揃った状態になったと思います。

■アメリカに勝つためには? 注目は最年少の甲斐選手

井上キャスター:
石川祐希選手と高橋藍選手は、今一つ調子が上がらないという情報もあるようです。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
石川選手は「当然メダルを狙う」という発言をしています。それだけ自分に大きなプレッシャーをかけて臨んでいます。チーム全体が良いパフォーマンスを出せば勝てるチームだと思っていますので、全員の活躍が必要になってくるでしょう。

ホランキャスター:
少し調子が悪くても、良い流れに乗れば切り替えられるチームなのですね。

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
そうですね。アルゼンチン戦はまさにその一つでした。他の選手の活躍によって石川選手、高橋選手のサポートができました。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
新しいスター選手は出てきていますか?

元バレーボール男子 日本代表 山村宏太さん:
アルゼンチン戦で活躍してくれた最年少の甲斐優斗選手です。彼が点を取ってくれたら自然と盛り上がると思います。

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<プロフィール>
山村宏太さん
元バレーボール男子日本代表
筑波大学時代から日本代表として活躍
身長205㎝
2008年北京オリンピック出場

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